Road To Bloodshed/Sanctity

アメリカ・ノースカロライナ出身の新世代スラッシュ・メタル・バンド(?)の2007年発売1st。Roadrunner所属なのでクオリティは折り紙付き。
久々の国内盤発売済みのバンドなので入手済みの人も多いはず。

TriviumのMatthew K. Heafyが彼らのプレイを見て、Roadrunnerに猛プッシュしたことでレコード契約ゲット。更にMegadethのDave Mustaineがこのバンドのプレイを見て、自身が立ち上げたジャイガンツアーへの出演を依頼。ちなみに、その時はDragonforceと一緒にプレイしてたそうだ(笑。
そんな感じで、デビュー前後からその筋の業界では相当な話題になっていたようで、そうした経緯からも日本デビューは至極当然という結果だった。

前述のデビュー経緯からも分かる通り、音楽性はスラッシュ・メタルがベースで、Triviumよりはずっと王道スラッシュな路線。Triviumがメタルコア方面と合流したようなスラッシュ・メタルと言えるなら、こちらは欧州(UKあたりの)パワーメタル/スピードメタルと合流したようなスラッシュ・メタルをやっている。どうりでDragonforceなんかと一緒にツアーしてたわけだ(笑。
アメリカンなスラッシュ・メタルだと思って聴き始めると「ちょっと違うぞ」という感じ。いや確かにMetallicaちっくなスラッシュなんだけど、曲中のあちらこちらにメロスピ的フレーズが飛び出てくるんだよね。本人達は影響を受けたバンドとしてスラッシュ系のバンドしか挙げてないのにねぇ。
voは間違い無くJames Hetfieldを意識してるよね。だから(このサイトとしては珍しく)グロウルではない。Matthew K. Heafyよりはいいvoだと思う。

 

1曲目のBeneath The Machine
ちょっと時流に乗ってみました by Metallica
王道も王道、ボクらMetallica大好きっす!的楽曲。ヒネリも何も無く、ただ若さでMetallicaを完コピ(笑。でも、このストレートなノリは好きなので俺は許す(世間は許さんかもしれんが…)。Gソロが何と言っても秀逸だ。

 

5曲目Billy Seals
ヤバイ! これは名曲確定だ!
いきなりヴァイオリンで入りますか (;´▽`A``
メロパワ的イントロが始まって感動したのも束の間、硬軟織り交ぜて、タメてみたり疾走してみたり、時にパワフルに、時に緩やかに…。
基本は確かにスラッシュだが、やっていることはドラマチックなパワーメタルです。TriviumのDepartureに対する明らかな挑戦状でしょう(笑。
俺としては、こうした楽曲の方面を極めてもらいたい。

8曲目のThe Shape Of Things
Metallicaが叙情メロディック・メタルをやったらこんな感じなのか?
イントロからしばらくの間は全くスラッシュじゃないのに、サビに入るとスラッシュ・メタル(というかMetallica)に変貌。二面性という部分では面白いと思うんだが、俺としては普通に叙情メタルやってくれた方が良かった。

9曲目のFlatlineも面白い。
これぞパワメタとスラッシュの融合!
叙情メタル的メロディをスラッシュの土俵の上で再現。こういう曲をサラリとやっちゃうんだから、一介のスラッシュ・バンドとしておくのは勿体ない。こういう路線はTriviumが挑戦して失敗した路線だから、ここはこのバンドに是非とも極めてもらいたいところだ。それだけのポテンシャルはある。

一部Triviumに似ている部分はあるにせよ、個人的にはTriviumは軽く越えてる。新世代スラッシュ勢では一番の有望株なんじゃないだろうか。
今後、そのTriviumに似ている部分を磨き上げちゃうと大変残念だが、メロスピ的なスタイルを磨き上げたスラッシュ・メタルを確立しちゃったりすると、自分の中ではかなりモンスターなバンドになりそうな気がする。
国内盤も出てるんでB!誌でもレビューされていると思うんだが、いったいどんなレビューで評価だったんでしょうか? 知ってる人いますかー?

MetallicaやTrivium好きな方には激しくオススメ出来るバンドだ。
…というか、アルバムは文句無しにカッコイイし、面白いスタイルのバンドでもあるので、メタル好きの方は要チェックなんじゃないだろうか?
疾走曲が豊富(というか全曲)なので、そちら好きの方もぜひ!

Road to Bloodshed - Sanctity

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