Corroding From Inside/Searing Meadow

フィンランド出身の叙情メロディック・デスメタル・バンドの2005年発売1stフル。

民族風メロディもあり。

音楽性は、Amorphisをもう少しスピーディーにして民族風メロディを少しだけ弱めた感じのメロディック・デスメタルだ。Swallow The Sunに似てなくもないが、あそこまで重苦しい感じではない。ゴシック的な耽美要素がベースと言ってもいいくらいで、そこに少々の民族風メロを乗せて軽く疾走するというパターンだ。なので、疾走するにはするんだが、メロデス的な爆走って感じではない。

1曲目のWasted Heroesのカッコ良さでまずヤラれる。

イントロからはAmorphis的な雰囲気は感じられないだろうが、曲が進行するにつれそのうねるようなメロディで「なるほどな」と思うはずだ。それでも「そこまでかぁ?」と疑問にも思うはず。
まぁ、この曲はアルバム中でも例外な楽曲の方だ。
だが、この疾走感とこのメロディで引き込まれること確実。

 

2曲目のAll Obvious
このあたりから徐々にAmorphis的要素が強くなってくる。
ただ、方向性としては1曲目にまだまだ近い感じだ。
イントロなんかは普通にパワーメタルっぽいノリだけど、本編に入るとうねるメロディが満載。聴き所は中盤あたりの耽美世界的な展開だ。
叙情メロ大盛り、Amorphisがマジでメロデスやってるみたい。

3曲目のAnother Saviorともなると、完全にAmorphisだ。
テンポ的にはミドルで、Amorphisよりはメロデスに寄ってる。
メロディがうねる、うねる。
メイン・メロディのキーが上がっていく展開も好きだ。
この曲を本家がやってても驚かない名曲だ。

5曲目Crystalbloodはインスト曲かと思ったら、さりげなくデス声が導入されてた。けど、インスト部分の方が長いんじゃないか?
後半にテンポアップしていく展開がいいんだよね、この曲。

6曲目Mirror Of Irony。
まず、イントロの切ないメロディがいい。
そこからお約束的にハードになって本編へ突入。
疾走感は1曲目並みで、バックのkeyがすごく効果的だ。Amorphis的なうねるメロディは希薄で、そのかわりにKalmahを逆にスピードダウンした感じのメロデス楽曲。途中の民族風メロディもいい。
これもアルバム中では最強クラスの楽曲だ。

9曲目のBlame The Nihilist。
この曲に至っては、ほとんどAmorphis的要素は無し。
アルバム中でも珍しく、ツーバスがドコドコ鳴ってる曲だ。
叙情的要素、ハードな要素、疾走感と、全てにおいてバランスがとれていて、かなりドラマチックな楽曲に仕上がっている。
やはり、メイン・リフのキーが序所に上がって行くのがいい。

YouTubeでは1曲目くらいしか見つからなかった…残念。
とりあえず、マイスペとオフィシャルのリンクを下記に。
mySpace - Searing Meadow
Official - Searing Meadow

ちなみに、このバンドのメンバーは他にAblaze In Hatredというゴシック/ドゥーム系のバンドもやってるらしいですが、自分はそのバンドをスルーしちゃってるんで、良くは知りません。

世間一般的にはChildren Of Bodomタイプのメロデスはゴロゴロしてるんだが、Amorphisタイプのメロデスを探そうと思ってもなかなか出会えるもんじゃないので、これは本当に掘り出し物。
Amorphisに関して「ゆったりしすぎ」とか「民族臭強すぎてとっつきにくい」という人も多いと思うので、そうした意味でも貴重。
ただし、Amorphis的な煮え切らなさも同じようにある。
まぁ、このメロディの前ではそんな事、些細な問題なのだが。

きっと、探してでも買いたくなること確実なアルバムだ。

 

2008.08.13初出

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