Megalomania/Enslavement Of Beauty

ノルウェー出身の、シンフォニック・デス?/ブラック?/ゴシック?とカテゴライズに迷うバンドの2001年発売2ndアルバム。
本当は6年振りに発売された3rd"Mere Contemplations"をレビューしようと思ったのだが、入手困難(品切れ?)なので2ndに変更。
1st&2ndは国内盤あり、3rdは国内未発売という、これまた国内の販売元AVALONは一体何をしてるんだと頭を抱えてしまう。
ぶっちゃけ、3rdは世紀の名盤だ。入手困難でもレビューするか?

1st"Traces O` Red(邦題:悪の聖隷)"はメロデス寄りな作風ながらも、メランコリックなゴシック的味わいやどこかしら民謡風なメロディも導入。シンフォ系にしては曲 の練り込みが不足してるかなぁという部分はあったものの、名盤と言っていいアルバムではあった。
で、間を置かずに発売された本作2nd。
前作で散漫な印象だった楽曲は大幅に練り上げられて、シンフォニックでメランコリックなゴシック/デスという方向性が確立された。
いや、デス系である部分はvoだけかもしれない。
暴虐的な部分は全く無く、時たま軽くアグレッシヴに疾走したりはするが、ほとんどはメランコリックなクサメロをぶちまけて、そこに民謡風なメロディと叙情的なメロディを同居させている感じだ。
Eternal Tears Of SorrowのA Virgin And A Whoreをイメージさせつつも、Dark Lunacy的な感覚やIllnath的な味わいもあったりする。

ちなみに、これはバンドではない。正式なメンバーはvoとG兼keyの二人だけで、DrやG、もう一人のkeyはサポートメンバー扱い。
更に、voはDiabolical Breedというシンフォ/ブラックメタル・バンドでDrをやってたりする(今も存在するかどうかは不明だ)。

 

個人的に最強なのは、4曲目のMalignant Midwinter Murdersだ。
アルバム中では珍しい、ノリノリ・ゴシック系の楽曲。
それでもずっとノリっぱなしというわけではなく、メランコリックなスローパートを織り交ぜている。もちろんクサいメロディは満載だし、Gソロがあったりして楽曲にメリハリをつけているのがいい。
エンディングに向かってのインストパートが何とも言えない。

 

1曲目のDainty Delusive Dollで感涙する人、多数。
イントロからするとノリノリ系かと思いきや、このバンドがノリだけで押し切るわきゃありません。クサメロ、テンコ盛り、メランコ・メロディ満載、アクセントに女性voを導入したりして感動確実。
女性vo後のGソロも個人的には違和感無くて大好きだ。
さりげないながらも、keyがまたいい仕事してるんだなぁ。

 

7曲目のPrudence Kept Her Purity。
イントロから静かなパートがえらく長く、そこへいきなりメタリックなギターの挿入は違和感バリバリありまくりですが、そこからvoインすると民謡風なクサいメロディがが軽く疾走するという逸品。
いやホント、緩急のつけ方が笑えるほど上手いバンド。

 

内輪的には超盛り上がったバンド…いやユニットだったんだが、あまり話題になって無さそうなのは…古いアルバムだからなのか?
久々の、探してでも買ってくれ!と言いたいアルバムだ。
ホントは3rdのMere Contemplationsこそ一家に1枚備えて、非常用持ち出し袋の中にでも収めておくべき逸品なのだが…。
この2ndも、メランコリックメタル・ファンは必聴の作品だ。
EToSやDark Lunacy、そしてIllnath好きは絶対買ってくれ。

Megalomania - Enslavement of Beauty

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