Clayman/In Flames

スウェーデン出身、"新世代ヘヴィメタルの魔人"In Flamesが2000年に発表した5thアルバムにして個人的最高傑作。
In Flamesは進化するヘヴィメタルを具現化していたという意味で、メタルシーンに与えた影響は絶大だった。
1st~3rdのメロディック・デスメタル時代は、3rdのWhoracleという傑作によって頂点を極めたと思うし、4thと5thアルバムでは正統派HMとメロデスの融合を理想的に実現させ、6th以降はエクストリーム・メタルの地平を開拓していった。
本作はそれまでのIn Flamesの集大成でもあり、またその後の進む道を暗示していたとも言える作風になっている。

美と醜の対比がより一層"美"を際立たせる
常々自分がメロディック・デスメタルを語る際に言っている言葉である。これはメロデスにとっての生命線である。
本作"Clayman"ではそこに静と動の対比を映し出すことによって、楽曲のなかに圧倒的なドラマ性を注入してきた。
静かであること、そこにドラマがある
メロディック・デスメタルを語るにあたって"静かであること"を強調するのはおかしいと思うかもしれない。
メロディック・デスメタルである以上、"激しい"のは当たり前なのである。静かであることは、ある意味"異端"なのだ。
それが本作を"傑作"と称している理由である。

In Flames最高の名曲"Square Nothing"。
この楽曲によって、凡百のフォロワーでは決して辿り着けない境地に達してしまったように感じる。
この懐の深さこそがIn Flamesが"孤高"である証なのである。
静かであり、激しくもあり、そして叙情のメロディ。
今にして思うのは、もはや頂点を極めたというメロディック・デスメタルに対する惜別の曲だったのかもしれないという事。

Bullet Rideの淡々としたAメロから、鳥肌モノの炸裂するBメロ~サビの流れも素晴らしい。
爽やか系のメロディを持つ、In Flames…というよりメロデスでは珍しい明るめ(ポップ)の楽曲も良い。
ちなみに、Suburban MeではChristopher Amott(Arch Enemy)がゲスト参加している(メタリックなソロを披露)。

近々発売される新作を記念してレビューしてみました。
でも、もう同じバンドでも音楽性は全然違いますね。

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