Daylight Deception/The Bereaved

スウェーデン出身のメロディック・デスメタル・バンドで、つい先日(2009年)に発売された2ndフル・アルバム。前作が2004年なので、約5年ぶりの新作。
ちなみに本作は、元Edge Of SanityのDan Swanoがプロデュース。
このバンドのvoは、元Fear FactoryのDino Cazares(G)が中心となって結成したアメリカのメタルコア・バンドDivine Heresyの新voとして起用された。
…というか、Divine Heresyはvoが流動的すぎますね。

1st以降5年も経つと、すでに1stのみで消えたバンドとして脳内認識していたし、このアルバムを買った後も1stを持っていたのを忘れていた(笑。
1st について言えばデスラッシュっぽい要素を持つ古いタイプのスウェディッシュ・メロデスで、全体的に見たらAt The Gatesに近い。Devil's DealなんかはIn Flames的(というか、そのまんま)メロディを持つデスラッシュで、今聴いても燃える。My Dying Prideは普通のヘヴィメタルっぽくて好きだった。
本作も前作の延長線上にあるのは間違いないのだが、前作のほとんどを占められていた一本調子の突進曲は影を潜めて、メリハリの効いた曲調と流麗な叙情メロディを持ったメロディック・デスメタルとなって帰ってきた。メタルコアにも影響を受けたのか、モダンな要素も少し見受けられる。
今のメロデス界はメタルコアの影響が強過ぎるので、そうした観点から見れば昔ながらの正統派メロディック・デスメタルに限りなく近い。
前作のAt The Gates路線とはほとんど手を切って、In Flames路線をベースとしつつ一部クリーンvoの挿入も見られ、Soilwork的な香りも感じる。Gのリフは相変わらず扇情的でカッコいい上、本作ではkeyがすごーくいい仕事してます。Gのメロディは相変わらずIn Flamesそのまんま(笑。
なんだかんだ言って、クオリティは激高。
久々に、『これぞメロデス!』と感涙に咽ぶ逸品。

1曲目のZero Of The Day
At The Gates路線の前作を引き継ぐかと思わせる突進力のあるイントロから、正統派メロデス的なメリハリのある曲調へ変化して嬉しさ満点。
サビを聴かせる構成力も前作から成長したポイント。
中盤にネオクラ系のGソロが導入されているのもいい。

 

3曲目のAfter The Image
In Flamesですね(笑。
基本はミドルテンポで、確かにメタルコア寄りな楽曲ではあるが、最近のIn Flamesに比べたら遥かにメロデスしてる。
これしかMovieが見つからなかったので紹介した楽曲なので、他に紹介した3曲に比べたらお気に入り度は低いと言わざるを得ない…
この曲が少しでも気に入れば、他の曲はキラーです。

4曲目のFreezing The Blood
デスラッシュ臭の強い楽曲なんだが、サビはメタルコア風に劇的変化。
その二面性がこの楽曲のポイントではあるが、後半のサビ以降からエンディングに至るドラマチックな展開が個人的には最も気に入っている。
中盤にはお得意のネオクラ系Gソロを装備。

5曲目のShelter Through Severance
メロデスというより欧州メタルコア的な楽曲。
vo自体もデス声とクリーンが同じくらいの比率になっている。
こうした曲はメロデス・バンドとしては邪道かもしれんが、4曲目のFreezing The Bloodに匹敵するキラーチューンと言っていいだろう。
曲が曲だけに、ネオクラ系Gソロが映えるね。

アルバム全曲疾走度が高く、中弛みもせず、一気に聴き通せる。
デスラッシュっぽい曲やメロデスっぽい曲、メタルコア的な楽曲を上手く組み合わせて、決して広いとは言えないメロデスという土俵の中で最大限のバリエーショ ンを作り出すことに成功している。特に、メロデスのメタルコア化が激しい昨今では貴重なメロディック・デスメタル・アルバムだ。
メロデス、デスラッシュ、メタルコア、いずれのファンも満足出来るはず。
ちなみに、Last.FMの『テイストの似たアーティスト』の中にSerpentもある。まぁ、確かに言われてみればそんな感じもするかも。
このアルバムは、迷わず買うことをオススメする。

 

Daylight Deception - The Bereaved

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