Mortuus Machina/Universum

オーストラリア出身のメロディック・デスメタルバンド、2011年リリース2nd。

どう聴いてもオージー系ではなくスウェディッシュ系です。

 

1stはスウェディッシュ系メロディック・デスメタルの系譜を継承したもの。Soilworkが一番良かった時期とかDisarmonia Mundiとかそのあたりと同じと思えば分かりやすいハイテンション系のメロデスだった。

特色と言えるのはそのギタープレイで、様式美メタルのギター部分をそのままモダンメロデスに押し込んだような音楽性であり、専任keyはいるもののツインギターを前面に押し出したサウンドが売り。

そんな1stから見て本作の音楽性を表現するなら、前作よりも遥かにモダン化したサウンドと言える。ハッキリと言うならScar Symmetryそのもの。似ているとかじゃなく、正に"そのまんま"。それは、ゲストvoとして全11曲中3曲にChristian Älvestamが参加していることにも現れている。まぁ、Christian Älvestamの場合、あの独特のクリーンvoが乗ってしまうとどの曲でもスカシンっぽくなってしまうんだが。そう考えると、今のスカシンって何?という感じになってしまうわけで、そこはChristian Älvestamの功罪だよなぁ、と。

音楽性はよりモダン化したが、実はクリーンvoのフューチャー度は前作とそれほど変わってないか、実は減少しているんじゃないかとも思う。前作ではギタリストが兼任していたクリーンvoが、本作ではChristian Älvestamが3曲とmyGrainのヴォーカリストであるTommy Tuovinenが1曲の計4曲しかない。じゃあ、スカシン激似の音楽性は3曲だけ?と思われると実はそうじゃない。Tommy Tuovinenがクリーンvoの楽曲でもスカシンそのものだし、クリーン無しの楽曲でもやっぱり音楽性はスカシン方面だったりする。

ここまでScar Symmetryのパクリだと言わんばかりの論調で進んでますが、個人的にはポジティブな良い意味でスカシン方面と言っています。まぁ、ただのパクリだったらChristian Älvestamは参加してないだろうし、何より聴いていて気持ち良いほどのモダン・メロデスを披露しています。ブルータルさは元々無かったけど、アグレッシブさも薄れて本作ではよりメロディアスに音楽性を進化させているように思う。

リードギターのプレイは前作以上にエモーショナルで、弾きまくり度も高い。

 

3曲目の"Sum Of The Universe"はゲスト陣が豪華。

ここでのChristian Älvestamはデス声とノーマルvoを披露していて、バンドのヴォーカリストとデス声で掛け合いをしている感じ。やっぱり、Christian Älvestamのオーラはハンパないわ。ミドルテンポの楽曲でヘヴィさを前面に出してるわりには、サビではキャッチーに展開。ちなみに、ゲストでNightrageのOlof MörckとMarios Iliopoulosもギターで参加。Gソロ連発なのはギターフリークには嬉しいところ。

 

5曲目の"2.0"

Christian Älvestamというヴォーカリストは、ホントに得難い人だよね。自分のカラーに染めまくっちゃうから、ゲストで参加してるのに存在感が有り過ぎる。楽曲的にはこのバンドなりのモダンメロデスでも"Scar Symmetryだよねこれ?"ってなっちゃう。中盤でのギター弾きまくりっぷりが気持ちいい。

 

8曲目の"Asymmetric Dimensional State"

ミドルテンポの"聴かせる"楽曲でmyGrainのvoをゲストで起用したのは面白い。ただ、この曲の場合はTommy Tuovinenが高い方のデス声も兼ねてますね。低い方は専任者自身だけど。Tommy Tuovinenの声はデス声と言ってもシャウトに近いし、ノーマルvoもそんなにクセがあるわけじゃないので、バンドのカラーはかなり生きている。後半はのGソロはNightrageのOlof Mörckが担当していると思われる。

 

9曲目の"Morte Noir"

ゲスト参加もクリーンvoも無し。なので、この曲が本来のUniversumらしさを表している。Scar Symmetryというか最近のNightrageっぽいかな。全体的に気持よく疾走して、中盤前に一度爆走パートを入れるという萌え展開が隠されている。リードギターはアルバム中で最も弾きまくってるんじゃないかってくらい。

 

voに関してはChristian Älvestamという大物をゲスト参加させたせいでそこにばかり目がいきがちだけど、実は専任voであるAdam Soininenも前作に比べて成長が見られる。以前であれば、低音デス声と高音のシャウトは"切り替えてる"という感じで変化していたのが、中音のデス声に磨きがかかったおかげで低音から高音までヴォーカルに繋がりが感じられるようになった。高音シャウトの声質も若干力強くなった気がする。

ただ、Universumはやっぱりギターがメインだな。ギターオリエンテッドな作風と言ってもいい。リードは常に弾きまくりだし、リフに関しても魅力的でフックの利いたフレーズが多い。各楽曲でGソロが披露されているし、Gソロ以外でも聴きどころはやはりGメロディだろう。専任のkey奏者もいるが、随所でいい仕事をしているわりには影が薄い。アクセントというか音の厚みを持たせる意味でのシンセという感じだ。

 

Scar Symmetry、myGrain、最近のNightrageなどゲスト参加しているメンバーの大元バンドが好きな人はもちろんのこと、Disarmonia MundiやSoilworkが好きな人にもオススメが出来る良盤。

 

Mortuus Machina - Universum

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