Spirits And August Light/Omnium Gatherum

フィンランド出身、2003年発表の1stフルアルバム。
音楽性は、デス声を導入したアグレッシヴなゴシック系というか、ブルータリティを排除したメロディック・デスメタルというか、そもそもこれがデス声なのかどうかも微妙な抑揚のない呻き声で、つまるところメランコリック系のメタルと言っていいかと。
そのvoの弱さ…というかウシガエルの鳴き声というか…も、極上のメロディで救われてるというか、かえって目立ってしまっているというか、かなり微妙なところではある。
楽曲については、疾走することはあっても爆走・突進といった要素はほぼ皆無。voを抜きにすれば、Crimson~The Cold White Light期のSentencedにもう一度デスっぽさを注入した感じ。
おぉ、正にノーザン・メランコリック・メタル。

まずオススメしたいのはSon's Thoughts
ストリングスの導入部からヘヴィなリフで曲はスタート。その後もメロディアスながらミドリテンポのヘヴィな流れ。
それだけで終わるのかとおもいきや、注目は中盤以降。同じメロディの中ツーバスが導入され、転調~Gソロ~転調、後半は疾走パートになだれこむ展開がたまらない。

The Perfumed Garden
Amor Tonight
The Emptiness Of Spirit
この辺りの楽曲は彼らなりの爆走チューンなのだろうが、メランコリック度がハンパではなく、絶えずメロディは泣きまくっている。
異様にメランコリックなイントロはメタルとは別世界のもの。

Deathwhiteは、開始数秒のイントロはヘヴィリフ。
そこから転調する叙情の疾走リフが抜群にカッコイイのだ。

Omnium Gatherumではこの1stが最高傑作だと思う。

多分に抑揚のないvoのせいで盛り上がりに欠ける部分はあるが、今は亡きSentencedの精神性を引き継ぐ(いや、引き継いでるのかどうかは知らんが)貴重で重要なバンドでもあると思う。

Omnium Gatherum-My Space.com

 

2008.04.11初出

Spirits and August Light / Steal the Light - Omnium Gatherum

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