The Day You Died Inside/The Fallen Within

ギリシャ出身のメロディック・デスメタル/メタルコアバンド、2012年リリース2ndアルバム。
イタリアのCoroner Records所属のバンドであったが、本作リリースにあたりNoisehead Recordsというオーストリアのレーベルへ移籍。HateskoRやBefore The Fallなんかもここの所属みたいね。
ミキシングは、As I Lay DyingやWar Of Agesとの仕事でも知られるDaniel Castleman

2009年のデビューアルバム"Intoxicated"は日本のHowling Bullでもリリースされていたので知ってる人も多いと思うのだが、モダンなメロディック・デスメタルをベースとしてメタルコア的な感性をミックスしたような音楽性だった。お隣イタリアのNeptuneに近いアグレッシブ系モダンメロデスといったところ。
当時のバンドはIn FlamesやSoilworkを筆頭に、August Burms RedやKillswitch Engageを同時に影響の受けたバンドの筆頭に挙げていたわけで、北欧系とアメリカの音楽を融合したものと形容していた。

さて、2009年(日本盤は2010年)リリースの1stから約2年半ぶりの2ndである本作。
1曲目"Eyes On Fire"のイントロを聴いていきなりブッ飛びましたよ。
あれ? もしかして、同名の違うバンドなのか? …というくらい。
音楽性のベースは1st同様にモダンなメロディック・デスメタルなのだが、今回はミックスされている要素があからさまにシンセコア。いきなりトランス的なシンセがフューチャーされていて驚かされます。時流に乗ろうとしたのだろうが、今のシンセコア界はトランス的なものは主流ではなくなったというのに…。アメリカ的というよりロシア的になった気がするシンセサウンドですね(笑。Facebookページを見てみると、影響を受けたものの筆頭がAsking Alexandriaになってるあたりで完全に路線を変更してるな、という感じです。
そうしたシンセサウンドとモダンメロデスをミックスしたことで、印象としてはSybreedに代表されるようなインダストリアル要素をもったメロデス的な雰囲気も感じます。ただ完全にインダストリアルかというとそこまで無機質ではなく、アグレッシブだし起伏もしっかりとあるので、音楽性の方向性というよりは音の聴こえ方がインダストリアルっぽいという意味。よりモダンでキャッチーなサウンドへ変化を遂げたと言える。
シンセサウンドの変化に驚いてそこにばかり耳がいきがちだが、1st時からインダストリアルっぽい要素はあったわけで、今回はそれがシンセの音と共に強調されてしまっただけ。実はベースとなるモダンメロデス的な部分はそれほど変化しているわけではなく、メタリックでアグレッシブな突進パートに北欧的な叙情メロディもフューチャーされて、メロウなノーマルvoパートも引き続き搭載。グルーヴィーな感覚はより進化しており、シンセコアにインダストリアル要素を加えて叙情メロディでコーティングしたようなサウンドだ。
ギターは前作同様にツイン編成だが、シンセの活躍度が非常に高いため前作と比較するとメロディ的には若干弱め。ヴォーカルはデス声とノーマルvoがほぼ同等か、ややノーマルvo比率が高くなった気がする。

まるでネガティヴ系レビューのようだが、個人的にはかなり気に入った。気に入ったけど、手放しで喜べない細かい部分がある、という感じ。それが、完全に融合されているとは言い難いシンセサウンド。
アグレッシブになったSybreedという感じで聴けばなかなかの好盤。

 

The Day You Died Inside - The Fallen Within

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