The Spectral Sorrows/Edge Of Sanity

異能の天才ダン・スウァノ(vo)率いるスウェーデンのデスメタルバンドEdge Of Sanityが1993年に発表した3rd。ダン・スウァノ、当時若干21歳(!)

自分のメタル人生(?)を変えた名盤でもあり、その後のメタルシーンを変えた史上屈指の傑作と言っても過言ではないでしょう。
『このアルバムによってメロディック・デスメタルと言われるジャンルが確立された』
この言葉には何の誇張もありません(ホント)。
(日本では圧倒的にCarcassの知名度が高いですが)

メタルの進化の最終形(いい意味でも悪い意味でも)と言われたデスメタルにメロディを導入するという行為は、当時『人々に嫌悪されてこそのデスメタル』というマニアの間では異端…を通り越して『一般大衆に魂を売った』とまで言われる始末。
しかし現在のメタルシーンを見れば、その方向性が正しかったのは一目瞭然。

楽曲は、とにかくヘヴィ。ダウンチューニングぎみのギターもヘヴィさを強調する要素となっています。疾走感もオーセンティックなヘヴィメタル由来のもので、突進型ではありません。

1曲目はアルバムの導入部とも言うべきインスト。
それに続く2曲目Darkdayで本編がスタート。
もうそのイントロで昇天。衝撃を受けました。
それまでの音楽の趣向がガラリと変わり、一気にメロデスへシフトしていったほど。

更にオススメの楽曲は5曲目のThe Masque。
イントロはいかにもデスメタル。
ヘヴィで、ある意味ドゥーミー。
なのに一気にメロディアスなリフが炸裂!
そのメロディがそのまま疾走して行くさまは圧巻。

それ以上に衝撃的だったのは、10曲目のSacrificed。
もはやデスメタルとは呼べない楽曲。
曲調としてはゴシック風でもありHR風でもある、ニューウェーブメタル風とでも言うか、ダン・スウァノ氏が淡々とクリーンヴォイスで歌いきってしまいます。

さて、すでに15年も前の作品なので当時直に感じた衝撃や感動までは蘇ってきませんが、それでも今も素直にカッコイイと思えるアルバムであることは確かです。
現在のメロデスという感覚から見れば『これがメロデス?』と思われるかもしれませんが、これこそが本来の意味でのメロディック・デスメタルなんじゃないかと思う。

本当に、自分の音楽観を変えた名作でした。

The Spectral Sorrows - Edge of Sanity

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