The Unborn/Mors Principium Est

フィンランド出身、2005年発売の2ndアルバム。
Mors Principium Est(モルス・プリンシピウム・エスト)などという一般的メタルファンを拒絶するかのような覚えづらいバンド名が知名度の低さを増幅させている理由なのは否定出来ない。
音楽的にはデスメタル系のブラストビートを使用しつつ疾走するリズムに叙情メロディをのせていくスタイル。
ドラマチック系爆走型叙情メロディック・デスメタル(?)

楽曲の展開はとにかく大仰でドラマチック。テクニカルなリズムを多用する場面もあり、叙情的なメロディをと相まって、ヘッドバンカーズなメタルファンにはオススメ出来ないものの、叙情メロディをこよなく愛する美旋律派には激しくオススメ出来る名盤。

1曲目のPureから、いきなり名曲確定。
6分台というメロデスにしては長尺な楽曲ではあるが、ドラマチックな展開によって逆にコンパクトな印象を受ける。
マシンガン・ドラムのアグレッシヴなパートと、叙情メロディの炸裂するブリッジ~サビの流れが楽曲のキモとなっている。
サビで導入される女性のコーラスもいいポイント。
全編、泣きのメロディ満載の傑作。

2曲目The Harmony Remainsも疾走感抜群。
イントロからブラストビート&変則リフで爆走。
なのにサビは、その変則リフの上に美しい伸びやかなメロディが展開していく。いきなりスケールが広がった感じ。
サビメロから繋がるギターソロの美しさも格別。

7曲目のThe Unbornも魅惑的な疾走曲。
Keyの冷たく悲しい旋律が特に印象的。
やはりここでもマシンガン・ドラムが暴れまくり、そこにザクザクとしたギターリフとKeyのメロディがのる。

9曲目Pressureも6分を超える大作。
Keyのメロディからマシンガン・ドラムへ流れる展開。
緩急を織り交ぜながら、変則的なリフと叙情のメロディをもって楽曲はドラマチックに展開していく。
中盤辺りに訪れるギターソロも非常にいい。
やはり、悲し気なKeyの音色が耳に残る。

楽曲の叙情的なスタイルに、この咆哮タイプのデスvoが合っているように感じる(決して上手いとは言えないvoだが)。

個人的に、2005年当時非常に衝撃を受けたアルバムです。
ちょうど他のメロデス勢がモダンなエクストリーム・メタル系へとシフトしていく中で、ある意味でオールドスタイルながらもデスメタル系のブルータリティを残しつつ叙情メロディを疾走させるメロディック・デスメタルを創造できたのは奇跡に近い。

現在でもメロデス名盤の1枚

The Unborn - Mors Principium Est

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