Tracedawn/Tracedawn

フィンランド出身、メロディック・デスメタルというか、広い意味で言えばエクストリーム・メタル・バンドの2008年発売の1stアルバム。

2008年デビュー組ではSea Of Treacheryと双璧かこちらが上か。

 

音楽性は初期のScar Symmetryっぽい方向性。パワメロなスタイルを基本としながらもメロデスらしいリフ刻みも垣間見せる。特にサビでの甘メロウ系のクリーンvo&メロディがそれっぽい。
ただ、Scar Symmetryよりは遥かにメロデス寄りでもある。
かつ、ツインGの使い方も上手く、Gソロもなかなか。
デス声に関しては低音吐き捨て系。この手のvoとしてはかなり聴きやすい声だ。クリーンに関しては、メロスピ系のバンドでもやっていけそうな高音爽快スタイル。
デス声はこっち。クリーンvoはC.アルヴェスタムの方が好きかな。
ミックスは、あのミッコ・カルミラが担当したらしい。
(CoB、EToS、Nightwish、Sentenced、Sonata arcticaなど)
それなりに期待されているバンドなのかもしれない。

アルバム中のハイライトはIn Love With Insanity

ピアノから始まりヘヴィなGリフが被さるイントロ。voインと同時にアグレッシヴに展開。

もうこの流れだけで興奮絶頂だというのに!
サビでは、イントロの物悲しいメロディがリフレイン。

このクリーンvo、こうした哀愁系のメロディにピッタリだ。

 

1曲目Without Walls

どこかで聴いた気もしないでもないが、ツインGのドライヴ感はなかなかのものがある。

上のMovieはPV用のイントロ短縮バージョンなのだが、アルバムバージョンのイントロはアグレッシブでテクニカルでスピード感のある極上なもの。PV用はかなり物足りない…

本編は低音デスvoで突き進むのだが、サビでは一転して伸びやかに切り替わる。

ありがちっちゃあありがりなんだが、これを上手くやれるバンドがなかなかいない。

 

Path Of Realityのイントロもどこかで聴いたような…

例え何かに似ていても、このドライブ感は爽快で好きだ。

本編もそのドライブ感を継承。voはデス声じゃなくクリーンを使用。

このバンド、テクニカルなリフを疾走させるのがいいんだよね。

Gの仕事量はハンパじゃなく凄いよ。

 

曲調は総じてアグレッシブで、疾走するGのリフがテクニカルでメロディは叙情的。サビメロは切なく悲しげなメロディとクリーンvo。一本調子の爆走にならないように練られてもいる。

そこらへんはInto Eternityっぽく感じてしまったり。

なんだかんだ言いつつ、これは相当なハイクオリティ盤。
特にサビメロのメロウさはかつて例がないほど。

Scar Symmetryがたまらなく好きで、なおかつInto Eternityも好きだがあそこまで難解な曲調はなぁ、というメロデス/エクストリームメタル・ファンの方は買いの1枚。
…いるのか、そんな人(笑。

 

2008.05.25初出

Tracedawn - Tracedawn

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