White Trash Metal Brigade/Shot At Dawn

ノルウェー出身のメロディック・デスメタル/メロディック・デスコア/メタルコアバンドの2012年リリース2ndアルバム。1stアルバムは2008年、2010年にEPをリリースという極めて寡作なバンド。
たぶんレーベル契約は無し。ローカルなインディーズバンドだと思われる。

メンバー構成は、ツインギターを含む5人組でシンセ無しとオーソドックス。
音楽性はデスコアと言えばデスコアなのだろうが、メロディック・デスメタルと言って何ら指し支えのないサウンド。ちょっと激しめのメタルコアと言っても通用するだろう。アグレッシブかつブルータルでありながら徹頭徹尾メロディアス。それほど強烈なブレイクダウンを入れ込んでいない代わりに、最初から最後まで持続するアグレッシブさが特徴的だ。アルバム全体をミドルハイから疾走曲で埋めているのも個人的には好印象だし、そうした音楽性だからこそデスコアっぽさが薄くメロデスっぽさを強く感じるのだろう。
ハードコアに由来するようなリフやリズム系とブレイクダウンも多少は存在するのがデスコア的でもあるのだろうが、もちろん欧州のバンドなのでクサめのメロディも大々的に取り入れられている。ただ、猛烈にクサいのかと言われればそれほどでもなく、適度にアメリカナイズされているところが現代的。逆にそうしたサウンドだからこそいかにもインディーズ的なマイナー臭は無く、かなり完成されているように感じる。
メロデス的な部分で言えばNightrageやCallenish Circleのようなスラッシュ系の方向性もあり、そういう観点から見ればデスコアと呼ぶよりデスラッシュとした方がよりバンドの本質に近いような気がする。
メロディ的にはリフ主体の音楽性ながらもリードギターが相当に頑張っている印象で、曲の大半で弾きまくっているような状態。繰り出すメロディもメタリックかつ正統的なものであり、北欧的なクサメロも時折は挿入してくるが前述のようにそれほど強めではない。リフ的にはテクニカル系の趣も多少見られるのが特徴。シンセは使っていない代わり…なのかどうか分からんが、一部でバンジョーを使っているのは面白い。

クオリティが高すぎて、とてもインディーズのバンドが作り上げたとは思えない良盤だ。
バンドやバンドの音楽性も、すでにこれで完成されていると思う。アルバム全曲で方向性が全くブレていないし、演奏自体も非常にタイトで良い意味での緊張感を感じる。このまま何の手も加えずにメジャーレーベルでリリースしても不思議ではないほどの圧倒的な完成度を誇る。相当な逸材であるのは間違いない。
ここにきて凄まじいバンドに出会ったな、という感じ。
2012年のメロデス界で、現在のところ真っ先に聴いておくことをオススメするアルバムだ。

 

White Trash Metal Brigade - Shot At Dawn

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