The Long Way Home/Confession

オーストラリアのメタルコアバンドが2011年にリリースした2ndフルアルバム。
同郷のメタルコアバンドI Killed The Prom Queenの二代目ヴォーカリストで、脱退後はBury Your Deadでもヴォーカルを務めたMichael Crafterのバンドですね。現在はメンバーチェンジの真っ最中でvo以外は全員脱退しております(泣)。…というか、バンドのFacebookではメンバーが誰一人いないのですが…

アルバムの基本はハードコア要素を増量したようなメタルコアで、Parkway Drive直系とも言えるサウンド。重量感のあるメタリックなリフをメインに据えて、時折爆走してみたり強烈すぎるほどのブレイクダウンで落としてみたりと男っぷりが目立つ。特にスクリームパートの激しさはオーストラリア産ならでは。
ただ、残念ながらそうした部分は総じてどの曲も似たり寄ったりでバリエーションの広がりに欠ける。特にミドルなパートやブレイクダウンの見せ方は毎曲同じで、ハッキリ言って残念な仕上がりと言える。
そうしたスクリームパートの作り込みの甘さを補って余りあるのがメロディック・メタルコアとしての一面。単に重量感を際立たせたメタルコアというわけではなく、強靭なリフやらリズム隊を前面に押し立てながらバックでは叙情的なフレーズがあちらこちらに散りばめられている。楽曲的に差別化要因が少ない分、そうしたメロディが生命線とも言える。それが特徴的であったり効果的な曲はアルバムの中でも一際輝いているし、そうでない曲は完全に埋もれてしまっている。楽曲間のクオリティ差が激しいとも言えるかな。
特にクリーンvoパートに関しては、叙情性というレベルを超越してメランコリックでさえあるという素晴らしい作り込みが為されている。もはやブレイクダウンでの"落とし"より、そのメロウさでの"落とし"の方が暴力的で落差を感じてしまうほど。バンドの要とも言うべきスクリームヴォーカリストの活躍パートよりも本来サブ扱いのクリーンvoパートの方が魅力的だというのは、このバンドにとって由々しき事態だろうな(笑。
"Asthma Attack"あるいは"Heartless"あたりはスクリームのみで押し通すが叙情性も際立っており、こうしたキラリと輝く楽曲を増やさない限りMichael Crafterの絶品スクリームが生かされないと思うけどね。

 

Piece By Piece
出だしからクリーンvo全開の楽曲で、スクリーム比率が著しく低い。バンド的にどうなのかと思うが、楽曲的にはクリーンvoパートのメロディがキレイなので成功してる。アルバムではちょっと浮いてるけど。

 

Heartless
スクリームオンリーの楽曲ながら叙情性も高いというMichael Crafterのヴォーカル堪能曲。
ヘヴィなパートから疾走パートへの遷移を叙情性の高いメロディで繋ぐというのが何より素晴らしいし、ブレイクダウンの落とし方や見せ方も強烈で印象的。こういう曲をバンバン作ってほしいと思うね。

 

The Long Way Home
タイトルトラックだけあって気合いの入り方が違う傑作!
メロディアスに疾走したかと思えば、芸術的なブレイクダウンでの落とし。アグレッシブな楽曲にメランコリックな要素を融合。サビではスクリームしながらメロディをしっかりと追えているのが凄い!
中盤過ぎにはクリーンvoが投入されるが、そこからが本当の"泣き"ポイントでもある。

Parkway Drive、For The Fallen Dreamsあたりが好きなら買いの一枚。特に叙情系メタルコアファンにオススメ。メタルコアの中でスクリームパートよりクリーンvoパートの作り込みを重視する人向け。
個人的にはThe Long Way HomeとHeartlessの2曲のみで買っても損しないと思うけどね。

 

The Long Way Home - Confession

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