Far From Heaven/Axenstar

2003年発売の2ndアルバム。
出身はスウェーデン、音楽性はメロディック・パワーメタル、路線としては世間でパクったとまで言われるSonata Arcticaで間違いはないと思うが、別にそんなことで騒ぐなよ、という感じだ。
またここで重ねて言うのも何だが、個性的かどうかで音楽聴いてるわけでもないんでパクリでも全然構わん。少なくとも、このアルバムは個人的にはSonata Arcticaの2ndよりは良かったと思う。
メロスピ/メロパワの雑食系コアなファンの中でも受け入れられない人は大勢いるだろうしね。誰も彼もがSonata Arcticaを知ってからこのバンドを知るわけでもないだろうから、知らないHMファンはどっちが本家かなんて気にしてやいないよ。それでいいと思うし。
良くも悪くも、好き嫌いがハッキリ分かれるアルバムだ。

さて、このバンドについて一つ最大のポイントがある。
voの歌唱力。特に抑揚の無さだ。

KeyとGの絡みの効いたイントロの煽情力も申し分ないし、そこからの疾走度も気持ちいいくらい爽快。サビへ至るメロディの盛り上げ方もなかなかのものを持っている。…なのに、だ!
voの抑揚の無さで、盛り上がりが失われているのは痛い!
1stももちろん良かったが、、突き抜け感の無いサビメロがちょっとしたマイナスポイントだったものの、この2ndではそれをキッチリと修正してきたのが最大のポイントだったのに残念だ。
ただ、楽曲的にはメロスピを基本としながらも、パワメタっぽく緩急や強弱をつけながら楽曲を構築しているのはよろしい。

1曲目の小イントロに続く2~5曲目の怒濤の疾走曲連発に悶絶だ。
どの曲も印象的なイントロ・メロディを配して、グイグイと楽曲にのめり込ませる。やはり、keyとGの扱い方がポイントだ。
特に、ベタではあるがDon't Hide Your Eyesが素晴らしい。
6曲目のミドルテンポ曲Abandoned。
この楽曲が2ndでの成長を物語る佳曲だと思う。ミドルテンポでもメロディを堪能させることが出来るのを示したのは大きい。

そこから後半は息切れかと思わせての9曲目Blackout。
1stタイプの楽曲で、パワフルなイントロが特徴。Keyもこの曲ではGよりもやや引いた感じで、メロスピの魅力を堪能出来る佳曲だ。

1stから4thまでを聴いて、voのチェンジが行われずにバンドが存続していくのを見ていて、このvoの抑揚の無さも、その音楽性に(良くも悪くも)多大な影響を与えているという意味で、それが 一種の”個性”とも言えるんじゃないかと思えてくるのも不思議だ。

もうこの際、voはチェンジしないで下さい。
それが"Axenstar"なのだから!

 

2008.05.07初出

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