Karma/Kamelot

アメリカ出身のメロディック・パワーメタルバンドKamelotが2001年に発表した5thアルバム。知る人ぞ知る元Conceptionの超絶ヴォーカリスト、ロイ・S・カーンが在籍しているバンドです。
このロイ・S・カーン、『優しく歌う』ということを『小さな声で歌う』などという勘違いヴォーカリストが多い中、それをちゃんと分かって歌っているヴォーカリストです。
また、メタル系ヴォーカリストはハイトーンが"売り"というパターンがほとんどなワケですが、ロイ・S・カーンの場合は中域から高音域への伸びやかな声が最大の"売り"だと思います。
あとは、メタル系とは思えないほどの艶やかな、ある意味ではセクシーな声色も魅力ですね。
この声だけで女性を落とせますね!
とまぁ、ヴォーカルをベタ褒めしてるワケですが、メタル系最強クラスのヴォーカリストであるのは間違いないところです。

なんだかヴォーカリストの事ばかりで、じゃあ楽曲はどうなんだ?と言われそうですが、そこが凄くなけりゃわざわざレビューなんてしませんよ。安心して下さい(?)
アメリカ出身でありながら、めちゃめちゃヨーロピアンなメロディック・パワーメタルを聴かせます。

1曲目のインストから連なるForeverで悶絶確実です。
G&Keyのイントロから鳥肌モノ。
そこから哀愁漂うvoが流れ込んでくる様で感涙。
この物悲しい疾走感が頭から離れませんね。
特にブリッジからサビメロへの流れが最高です。
グリークの『ペール・ギュント』の旋律を隠し味的にさりげなく導入してしまうセンスの高さも魅力的です。
もしあなたがこの曲でメタル初体験になるなら、この先きっと不幸になること間違いなしです。
この曲がモノサシになってしまうから…

さて、自分的な最強楽曲の6曲目Karmaです。
★が足りねぇ! (for iTunes)
もはや奇跡としか言いようのない名曲。即死確実!
荘厳なイントロ、ギターリフから連なるピアノの旋律。
美しくも儚いメロディには絶句する以外ない。
ブリッジもサビも全て完璧。
ギターソロ前のタメも美しさを一層引き立てています。
HR&HM史上5本指に入るだろう。
全ての音楽ファンに聴いてほしいです。

イントロ的には地味だが、味わい深い名曲。
それが7曲目のThe Light I Shine On Youです。
地味めな導入部に危うく聴き逃しそうになるが、ブリッジ~サビに至る美しいメロディの流れは絶品です。
こうした曲こそvoの力量が如実に現れるってもんです。

9曲目のAcross The Highlandsもいい感じです。
他の曲とは違ったブリッジ~サビメロの流れ。
『あれ?』と思うような感じで耳を引きつけます。
アルバム中、最も親しみやすいサビメロかもしれない。

アルバムラスト、10~13曲目は組曲形式となっていますが、そのラストElizabeth: III Fall From Graceがオススメです。
いや、もちろん組曲になってるので通して聴くのが筋なんですが、楽曲のデキで見るなら断然コレです。
パワフルなイントロはアルバム中随一でしょう。
そんなに長い曲じゃないんですが、ドラマ感も抜群です。
パワフルでありながら覚えやすいサビメロも◎ですね。
何より、後半の美しさが断然にイイ。
アルバムを締めくくる意味でも最高のエピローグです。

と、ここからかな~り長い無音を経て、日本盤ボーナストラックのFuture Kingへ続きます。
楽曲としては『これがボートラ?』というくらいの完成度&美しさなんですが、アルバム全体の構成では浮いてしまうから本編に入れなかっただけじゃないかと思います。
ちょっと珍しい(?)メロディをもった楽曲です。
Kamelotではあまり見られない明るめの曲調でもあります。

全体的に、ネガティヴな要素が全くないアルバムです。
このアルバムを聴いて『メタルを聴いてて良かった!』と胸を張って言えますし、きっとみんなそう思ってるはず。
アルバム1枚、鳥肌センサー立ちまくりです
真面目に、メタル初体験がこのアルバムだったら、幸せであると同時に不幸になるのは確実な名作です。

というか、傑作がこのアルバムだけじゃないところがKamelotの恐ろしいところでもあるんだが…。
それはまた今度ということで。

全ての音楽ファン必聴です!

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