Rising/Seraphim

台湾出身のメロディック・スピードメタル・バンドの2007年発売4th。
原題『日出東方/六翼天使』の方がカッコいいな。
今回、リーダーのKessier Hsu(G)以外のメンバーを一新…というか他のメンバーがどんどん脱退しちゃったというか…しての再スタート作。

初期はシンフォニック・デス/スピードメタルだったのだが、アルバムを重ねるごとにデス声のフューチャー度は下がっていくという個人的には残念な進化を辿っている。今作に至ってはデス声はほとんど無いに等しく、シンフォニック・スピードメタルと言ってよい。
2001年の1st"The Soul That Never Dies"では、シンフォニック・パワーメタルをベースにデス声とオペラティックな女性voを掛け合わせる形でフューチャーして"Seraphim"とし ての独自の世界観を表現していたが、2ndや3rdではアクセント的にデス声を配置するシンフォニック・パワー/スピードメタルなスタイルとなり、今作では特に疾走 感を強調した作風と変貌を遂げた。
メインの女性voも交替しているのだが、特に前任者と大きく違わない声質のせいもあって、言われなければ気づかないレベル(歌唱力はレベルが違うんだがな)。オペラティックすぎた前任のvoよりは普通の女性メタル・ヴォーカリストっぽいと言えるか。
全体的な印象としては、Dark Moorの1stを更にスピードアップした感じだ。

1曲目のBetray

王道のメロスピ/メロパワ曲。今作を語る上で、この曲が1曲目だというのは大きいと思う。デス声皆無、ストレートにメタルを追求してる楽曲だからだ。
それと、今までサビの弱かった曲が多かったのだが、この曲ではしっかりとメリハリの効いたサビがあるのもいい。大仰なイントロと後半のGソロもいい感じ。

5曲目のSpring Wind

これぞSeraphim!というべき楽曲。
イントロの妖しいシンフォニックなメロディから始まり、本編はメロディック・パワーメタル。何よりデス声のフューチャー度が高いのがポイント。
デス声、前任のBassよりも上手い。最初からキミがやれば良かったね(笑。
サビでの女性voとデス声コーラスも聴き所だが、メロウなGソロ→ハードなGソロという展開、Gソロ後のメランコリックな流れと聴き所も多い。
この曲が個人的にはアルバムでベストだ。

 

10曲目のTime

これもデス声使用率の高い楽曲。
基本はシンフォ・メロスピ。この曲もそうだが、楽曲は総じて以前と比較するとクサメロスピの中では大物感が出てきたというか、B級臭さは薄れてきた(いい意味で)。
イ ントロ~本編最初のデス声パートまでと、その後の女性voのパートで楽曲の色がガラリと変わる面白い構成。そこまではデス系のガツガツとしたリフ刻みなの に、いきなりメロディアスに。約9分もある長尺な楽曲なので、飽きさせない仕掛けがあちらこちらにあって、それもポイント高い。
今回のデス声はどうやらエフェクトを厚めに使用してるらしく、前作までの粘着系よりは聴きやすいのだが、"味"という点では数段劣るのは悲しい。

 

その他、2・3曲目のメロスピ曲もいい曲。
というか、アルバム1枚単位で見たらDawn Of Destiny級だ。

個人的には バンドの最高傑作は1stだったと思うのだが、デス声に抵抗感のある人なら今作がベストと言える。まぁ、前作までのデス声はあまりにもヒドいゲロゲロvo だったが(笑。ちなみに、前作までのデスvoはBassが担当し、今作ではリーダーが担当している。たぶん今作の男クリーンvoもリーダーが担当してるの だろう(これがまたヒドい粘着系voなんだよなぁ)。
Kamelotタイプのメロパワ好きに特に薦めたいバンドだ。

 

Kamelotと言えば、このバンドの3rdのResurrectという楽曲。

聴いての通り、イントロがKamelotのKarma激似です(笑。

そして、1stのオススメ曲"Immortal Silence"

このクサメロ&デス/ゴシックなメタルが良かったんだよ~ (T^T)

 

とりあえず、バンドのマイスペ → myspace.com - Seraphim

 

2009.02.06初出

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