Towards Eternity/Auvernia

アルゼンチン出身の3人組テクニカル・スピードメタル・バンドではあるのだが、元々はブラックメタルなどをやっていたメンバーなのでデス/ブラックメタルのエッセンスも多分に含んだバンドの2008年発売1st。

ア ルゼンチンという国がどういった音楽(メタル)環境にあるのか分からないんだが、やっている音楽はプログレッシブ・パワーメタル…というほど重いものでは なく、ちょいとネオクラシカルなテクニカル系スピードメタルをベースに、メロディック・デスメタルやブラックメタルの要素を盛り込んだ欧州的なクサメタル だ。アルゼンチンという国の風土がそうさせている…わけではない…かな?(笑。かなりのハイブリッド・メタルです。
分かりやすく言うなら、 AndromedaやSymphony Xのようなテクニカル・メタルにデスっぽい部分を加えた感じ。ブラジルに近いアルゼンチンならではの、前時代的…ストレートに言うならジャーマン・パワー メタル的な要素やネオクラシカル系やシンフォニック系の要素も全編で搭載。
メンバーはvo&G、Dr、Bassの3人なのだが、keyも大々的に導入されているし、ツインGなこともやっているので、実態は5人編成だろう。
voの基本はいかにもパワーメタル的な劇場型ハイトーンvoだが、同時にデス声も兼任しており、その低音デスvoの方が好みだったりする(笑。

 

1曲目のA New World Is Born
これ、カッコ良すぎでしょ。
重めのメロデスっぽいイントロなんだけど、変拍子とか多用してたり、デス声が乱入してたりで、バンドの方向性を上手く表している。
本編はゴリゴリのリフでデスっぽいのに、voはクリーンだったりする。
ブリッジに移ってからが聴き所だったりして、サイバーちっくなkeyとメロディアスなGをバックにデス声乱入。どっちかっつうと逆だろ?(笑。
デスっぽいガリゴリなパート、パワーメタル的な伸びやかなパート、インダストリアル・メタル風なモダンなパート、スピードメタル的な疾走パートが混在して、各パートをテクニカルなパートが繋いでいる感じだ。

6曲目のInherent Rage
イントロを聴いて思うこと…Children Of Bodom?(笑。
キラキラ系のkeyをバックにデス声、楽曲のベースはスピードメタルときたらチルボドを思い浮かべずにはいられない。もちろんテンポチェンジを多用してはいるのだが、他の曲に比べればストレートな方だろう。
初期チルボド好きとしては美味しすぎる楽曲だ。

9曲目のThe Successor
ドラマチック・テクニカル・メタルですかね。
前半はイントロというには長すぎる(笑。6分ある楽曲の前半2分半がvo無しの前奏ですから、本編への導入部と言った方がいいんじゃないか。
こ のイントロが、インストとして独立させてもいいくらいクオリティが高くカッコイイ!イントロ終わると、ブラストを盛大に投入したシンフォニック・ブラック メタルをバックにvoはクリーン。もちろんテクニカルではあるのだが、演奏の部分より展開の部分がプログレッシブですね。

 

そして、10曲目がX-JapanのカバーBlue Blood
ボーナストラックでありながら、その筋では本編よりも話題になってたりするという、バンドとしては微妙な評価のされ方だろうな、きっと。
X- Japanのカバーと言えばDragonlandのRusty Nailが有名なわけだが、こちらも負けじと日本語で全力カバー(笑。どちらの日本語力に軍配を挙げるかと言われれば…どっちもどっちだ(爆。日本語って すげぇ難しいんだろうな、と思わずにはいられない微妙な発音に、日本人すげぇ!と思う。
肝心の演奏は、原曲をよく知らなかったのでYouTubeで原曲を聴いてみたのだが、かなり忠実に再現してると思う。少なくとも、voと各楽器の演奏力はオリジナルを超えてる。特に原曲に比べ、Drに安定感がある。

ちなみに、もう1曲のボーナストラックがThe Show Must Go On。言わずと知れたQueenの名曲で、Divinefireもカバーしてたな、これ。

プ ログレッシブにしては整合感というか計算性というか練り込まれた感じが薄く、デス/スピードメタルのスピード感や荒っぽさの中に変拍子やテンポチェンジを 盛り込んで、テクニカルに演奏した感じだ。なので、メタル本来の勢いや熱気は普通のプログレよりもずっと多く感じることが出来る。
プログレッシブ・メタルが好きな人よりは、スピードメタル好きにこそオススメのアルバム。デスっぽい部分もオマケ程度なので、デス声に抵抗のある人も、この程度ならアクセントと思えて気にならないはずだ。

 

Towards Eternity - Auvernia

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