A State Of Emergency/The Rose Will Decay

ロシアのトランスコア・バンドの2011年発表の1st…だと思う。

まだアマチュアだと思うので情報が少ない。公式ページとFacebookくらい。

 

音楽性はトランスコアを自称しているだけあって、シンセを大々的にフューチャーしているのが特徴。メタルコアがベースなのだが、メロディやリフに北欧系のメロデスに影響を受けたようなフレーズも時折見かけられ、そのあたりが「あぁ、ロシアのバンドなんだな」と感じられる部分。しかし、そういった部分は本当に隠し味程度で、音を聴いただけだと誰もがアメリカのトランスコア・バンドだと思うに違いない。それくらい明確にアメリカン・メタルコアの影響下にある。

東欧系のバンドは総じて基本に忠実なので、このバンドの音楽性もトランスコアと聞いて想像できる範囲内のサウンド。ギターよりもシンセのフューチャー度の方が遥かに高いのに、音楽性の方法論は明らかにメタルコア系で、そのあたりのギャップが楽しい。疾走するパートやブレイクダウンの作り込みなどはアマチュアにしておくには惜しいレベル。特にシンセの使い方はいいね。

面白いのは、グロウルの声がメタルコア系のスクリームじゃないんだよね。どう聴いてもこれはデス声でしょ?好きな声質だからいいけど。それと、このテの音楽性にしてはクリーンvoのフューチャー度は少ないように思う。まぁ、特に特徴的な声質でもないし、それはそれでいいけど。

 

で、このバンド、アルバム全曲をフリーで配布してます。公式で。そういったところはアマチュアならではなのかな。ちなみに、このアルバムの前のEPも無料配布してますよ。

公式サイト → The Rose Will Decay

 

8曲目の"I Will Take Revenge"

基本Silent Descentのような音楽性に、若干のテンポアップするパートとクリーンvoのサビを盛り込んだ感じの曲調。トランスコアというかトランスデスといった感じかもしれない。

 

10曲目の"Get Ready!"

シンセよりもギターが前面に立ったメタルコア楽曲。前半部分はどうってことのないメタルコアだが、中盤で転調、そこから先はかなりイイ感じ。どうせなら最初からそうしておけよ!

 

最近のところだと、Casino Madridが一番近いかと思う。あとはSilent Descentとか。ちょうどその中間辺りの音楽性と思えばいいかもしれない。アメリカンなメタルコア/トランスコアを基本にして、欧州系のメタルコア/メロデス風味も吸収しているという、ある意味、東欧ならでは。

まぁ、ケチのつけどころが無いわけでもないんです。曲調…疾走パートの織り込み方とかシンセの使い方とか、特にテンポはどれも似たり寄ったりで、バリエーションが少ないかなと感じたり、特に思うのはサビメロの作り込み。印象に残らない。voの声質がそうさせているのかもしれないけど、サビメロはホントにどの曲も同じに聴こえる。これはかなり大きなマイナスポイント。

ただ、メタルコア/トランスコアの基本はしっかりしてるので、ここからどうバリエーションを広げていくかの問題。作曲センスは悪くないので、大きく化ける可能性はあると思う。

全曲無料で聴けますので、ぜひダウンロードしてくださいね。

ちなみに、EP"Revenge"収録のAILDカバー"The Darkest Nights"は秀逸です。

 

Facebook - The Rose Will Decay

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