Our Sceneration/One Morning Left

フィンランド出身、エレクトロコア/ピコリーモバンドの2013年リリース3rdアルバム。
所属は、myGRAINやらEnsiferum、Children Of Bodomなどを擁するフィンランドの名門メタルレーベルでもあるSpinefarm。ちなみに日本ではGo With Meより本作で本邦デビューが決定してい。
バンド結成から5年、アルバムも本作で3rdとそれなりに活動も長い。メンバーは5人で、スクリーマーが専任ヴォーカリスト、クリーンヴォーカルはドラマーが兼任している。ギターは最近のメタルコア勢では珍しくシングル編成(ライブではツイン編成もあり)で、当然のようにシンセ奏者が専任で在籍している。

バンドが公言するサウンドスタイルは、myspaceでは"Crabcore/BreePoP"というもので、それがFacebook上では"Comedy/Jungle/Metal"という目指す方向性が意味不明なものとなっている。「Crabcore=クラブコア?」という意味では肯ける部分はあるし、コメディ的であったりジャングル的カオス感もあるのであながち的外れではないかな、と思わなくもない(笑)。基本も何も無く、様々なメタルコア要素を取り入れていると言ってもいいほどのゴッタ煮サウンド。その中でもベースはチャラい系のエレクトロコア/ピコリーモになるのだろう。シンセはかなり厚めな上、今や珍しくなったサイバー/トランス系の要素やダンサブル系のピコピコサウンドを大々的にフューチャー。ほぼ全編でシンセが鳴り響いて、バンド・サウンドを方向付けている。
そうしたエレクトロコア/ピコリーモスタイルの中に、とてもピコリーモ系とは思えないブルータル&アグレッシブなスクリームパートを導入。シンセサウンドを抜いてしまうと激烈系メタルコアと言ってもいいような凶暴さがある。極悪な落とし方をするブレイクダウンも搭載。スクリームに関しては歌メロパートの裏でもバッキングで導入されていたりピコピコサウンドの上でスクリーマーが暴れている状態が繰り広げられているので、特にスクリームパートと歌メロパートが分離しているようなメタルコアスタイルではない。
チャラい系ピコリーモと激烈メタルコアが並立した上で、エモいパートから突然の強烈落差を誇るブレイクダウンへ移行したり、コメディ的とも言えるおバカ系メロディックパートやIn Fear And Faithばりのシンフォニックパート、デスコア的スクリームパート、不協和音メロディが渾然一体となって予測不能な構成を見せているのがこのバンドの特徴。場面展開が急激すぎる上に予想の斜め上を行っているので、ある意味プログレッシブと言えなくもない不思議な感覚がある。いろいろな要素が詰まりすぎているが故に、似ているバンドは山ほど存在するが、ある一定のバンドに似ているかと言えばそうでもないバンドのオリジナリティがある。

なんでしょうね。この"Spinefarm"というレーベルカラーから外れた「コレじゃない感」は…
変態メタリック・ピコリーモ。
ピコリーモ好きなら必ず聴いておきたいオススメ盤。
エモい要素もあるのでスクリーモ好きや、強烈なメタリックサウンドを見せる部分もあるので、シンセコアファンにも十分にオススメ出来る。Eskimo CallbouとかClaps For Carolineが好きならマストだ。

 


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