Trust In Few/We Are Defiance

アメリカのメタルコア/スクリーモバンドが2011年にリリースした1stアルバム。
Tragic Hero Recordsの所属だが、同レーベルからは有望なバンドが続々と流出&ドロップしている状態で、稼ぎ頭と言えるのがGreeley Estatesと1stのみの実質新人であるこのバンドという有様。
ちなみに、リードヴォーカルのBrian CalziniはSleeping With Sirensの初代ヴォーカリストでもある。

サウンド的にはメタルコア/メタリック・スクリーモ路線で、アグレッシブなスクリームパートにエモい歌メロパートを組み合わせたスタイル。ヴォーカリストにゆかりのあるSleeping With Sirensよりは若干ハードな方向に振っている感じを受けるが、歌メロパートのエモ具合はSleeping With Sirensにカブる印象だ。
メタリックでアグレッシブなスクリームパートにブレイクダウンを取り入れた音楽性からはメタルコアを基本にしていると言ってもあながち的外れではないだろうが、キャッチーでエモく時にポップなノーマルvoパートからは見ればスクリーモと形容してもおかしくない。実際のところ、スクリームvoと同じかそれ以上にノーマルvoをフューチャーしているサウンドでもあるので、広い意味でポストハードコアとしてもいいかも。
アグレッシブさはあってもブルータリティはほとんどないので、スクリームパートであろうが歌メロパートであろうが非常にメロディアスなのが特徴的。そのメロディアス具合を、メタリックな方向とキャッチーな方向に振り分けて表現している。そうした音楽性なので、ブレイクダウンの落差以上にアグレッシブなパートとエモいパートの落差は激しい。それがこのバンドの魅力でもあるし、生命線とも言えるのだと思う。
メンバー的にはシングルギター編成の4人組でシンセ奏者も在籍していないのだが、一部で程よくシンセサウンドを盛り込んでいる。ただ、シンセサウンドはあくまでも効果音的なものなのでエレクトリックというわけではない。また、シングルギター編成(正式メンバーはリズムギター)ではあるが実質はサポートメンバーを含めたツイン編成と言ってもよく、リフにしてもメロディにしてもギターサウンドは魅力的なフレーズを奏でている。それと、クリーンvoに関しては、ハイトーンのありがちなエモい系ヴォーカルスタイル。

メタリックなポストハードコアやスクリーモが好きなら期待に応えられるアルバムなのは間違いない。もちろんメロディックなメタルコア好きにもオススメ出来る好盤。ただ、キャッチーさが相当に感じられるサウンドなので、アグレッシブ系やハードコア系のメロディック・メタルコアファンには厳しいかもしれない。

 

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