Beauty Is The Beast/Fear And Wonder

テキサス出身のメタルコア/ポストハードコアバンドの2013年リリースEP。

バンドの結成は2012年9月と比較的新しいですがまったくの新人バンドというわけではなく、メンバー的には元Modern Day Escapeのドラマーと元The Great Commissionのヴォーカリストが在籍しています。他に二人のギタリストにベーシスト、そして女性のヴォーカル兼キーボーディストという6人編成。

現段階ではレーベルには所属しておらず自主制作盤としてリリースしています。

 

EPの収録曲は5曲と少ないですが、これがどれも相当に高いクオリティのサウンドです。

スタイル的にはメタルコアをベースにしていますが、専任のキーボーディストが在籍していることから想像出来るようにシンセの投入具合はかなり多いシンセコア/ピコリーモスタイルのサウンドです。だからといってコテコテのチャラい系ピコリーモかというとそうではなく、Casino MadridやWe Came As Romansに代表されるようなメインストリームなシンセコア・スタイル。シリアスな要素と適度にポップ、一部にメランコリックなシンセメロディを配したものです。最近ではThe Avalanche Diariesとかのイタリアン・メタルコアの感覚に近いかな、という感じ。奇を衒ってない分、シンセコア好きならすんなりと受け入れられそう。

スクリームパートはギターのリフにベースを組み合わせてヘヴィさやブルータリティを主張している上でグルーヴィーさも取り入れられており、そのあたりはスクリーモベースというよりメタルコアベースなのだなと感じるポイント。ヴォーカルのスクリームもしっかりと歌えているし、非常に堂々とした歌いっぷりはさすがメジャーを経験したヴォーカリストというところでしょうか。スクリームと同時に操るノーマルvoは変にハイトーンになりすぎず、適度にポピュラーな歌声でこちらも個人的に好み。ノーマルvo的には女性のキーボーディストとツインノーマルvo体制なわけですが、女性だからといって舌足らずで甘メロウな感覚を押し出すいかにも女性なタイプではなく、非常にナチュラルに歌っているので違和感とかは特に感じませんね。

オーソドックスでメインストリームなシンセコアですからキモとなるのは楽曲のクオリティなわけですが、そこは単なるアマチュア上がりのバンドと違ってメジャーな感覚を知っているメンバーが在籍していることもあって、スクリームパートと歌メロパートのバランスや作り込みとその構成、シンセのサウンドやその導入具合、適度なポップ感覚やキャッチーさの導入とかアレンジ能力の上手さは抜群と言っていいですね。

 

まだEP5曲の段階ですが、これからこのバンドがどのように変わるのか/変わらないのか気になるところ。サウンド的にはこれで完成されているような感じではあるし、このスクリームやクリーンvo、ギターやシンセ、ブルータリティとキャッチーさのそれぞれのバランスを生かしたこの路線を突っ走ってほしいところ。

EP5曲では物足りないくらいの非常にクオリティの高いシンセコア。

シンセコア/ピコリーモ好きは「今すぐ買え!」ってくらいの好盤ですね。

 

Beauty Is the Beast - EP - Fear and Wonder

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