Outspoken/For All Those Sleeping

アメリカのメタルコア/スクリーモバンドが2012年にリリースした2ndアルバム。
Fearless Records所属、1stは2008年にリリース。

1stは未聴なので以前はどんなサウンドだったのか分からないのだが、バンドが自称するのはFacebookによると"ハードコア/スクリーモ"ということで、本作を聴いたところではあながち間違っていない思う。
ただ、シンセがかなり厚めに盛ってあるのでピコリーモ/シンセコアと言う方が正しいかな。
ベースになっている音楽性はスクリーモとメタルコアの間あたりで、トレンドに乗った"重く・激しいスクリーモ"もしくは"エモさ増量のメタルコア"といったところ。スクリーモにしては強烈なブレイクダウンやアグレッシブなスクリームパートを導入しているし、メタルコアにしてはクリーンvoパートがエモすぎる。
ぶっちゃけて言うとAttack Attack!の1stと全く同じサウンドで、このバンドなりの"何か"があるかと言われれば全く何も無い。あからさまなフォロワーなのでその部分で敬遠してしまう人もいるかもしれないが、そもそも個人的に何度も言ってることだがメタルコア/スクリーモにオリジナリティを求めようとしている方が間違っているわけで、このジャンルではメロディやアレンジのセンスが最も重要なポイントなのである。
そうした意味では元ネタが透けてしまうほど使い古されたメロディやアレンジながらまとめ上げるセンスは相当に高く、ほどよい重さのブレイクダウンやダークすぎない叙情感、アグレッシブなスクリームパートとエモーショナルなサビメロ、メタリックなリフなどのバッキングとシリアスな雰囲気を醸し出すシンセ…そういった様々な要素が非常にバランスよく融合していると思う。この系統には山ほどの類似バンドが存在するのだが、楽曲アレンジ面や各要素をまとめ上げる構成力はかなり高い位置にあると感じた。

 

Once A Liar (Always A Fake)
いきなりの低音スクリームでメタルコアっぽさを強調して、すぐさまクリーンvoを投入してエモく変化。メタルコアっぽかったのは最初と最後だけでした(笑。まぁ、その落差がステキなバンドなんですけど。

 

Follow My Voice
シリアス系シンセコア楽曲。ちょっとThis Romantic Tragedyっぽくもある。このアルバムで一番いいのはコレかな。全体的にメロディが切ないけど、サビメロはもっと切なくなるのがいいんだよね。

 

One Kiss
ポストハードコアだね、これは。こういった叙情性のある楽曲は大好きだ。In Fear And Faithからスクリームを抜いてアッサリと仕上げるとこんな感じかも。てか、マジでスクリームの出番ほとんど無しww

"アレンジの勝利"といったサウンドなので即効性は非常に高い。反面、「いいアルバムだよね」で終わってしまうような"何か"物足りない感が出てしまうのも事実で、その"何か"という部分が"推しのポイント"的な突き抜けるものがないんだよね。中途半端とは少し違って、サウンド的にバランスが良すぎるせいか聴かせどころがどこなのか見えづらい。よくレビュー的に言われる"フックが無い"、というやつなのかな。
Attack Attack!やAsking Alexandriあたりの音楽を探しているならこのアルバムが正にそれですね。

 

Outspoken - For All Those Sleeping

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