Two-Faced Charade/Famous Last Words

ミシガン出身、スクリーモ/ポストハードコアバンドの2013年リリース1stアルバム。
InVogue所属で昨年にデビューEPをリリース。驚異的な完成度で話題となった。
バンド名はどうやらMy Chemical Romanceの曲名に由来するみたいですが、音楽性はまったく別物です。単純にその語感と意味から名付けたような気もするので、MCRの曲名とかぶっただけとかかも。

昨年リリースのデビューEP"Pick Your Poison"はピコリーモ以上でも以下でもないド真ん中スタイルで、「筋金入りピコリーマーここにあり!」を高らかに宣言する快作だった。ピコピコスタイルは採るもののトランス/ダンス系の方向性ではなく、基本キラキラ系でシリアス&シンフォニックなところも見られた。
あれだけの良作EPを見せつけられた後ではアルバムへの期待が高まるのは当然のこと。
音楽性はEPの路線をそのまま引き継ぐキラキラ系ピコリーモ。スクリーモベースとは言うものの、EP同様にピコリーモの中に合っては若干重めなサウンドが特徴的。シンセコアの領域に入り込んでいるかなという感じだが、クリーンvoの比率もエモさやキャッチーさもスクリーモ/ポストハードコアをベースにしていると言っていいだろう。ただエモさのみで押し通す曲はほぼ皆無で、どの曲もアグレッシブさは持っているし、曲調的にもミドルハイから疾走曲でほとんど占められているのでシンセコアのファンにもアピールできるだろう。
サウンドの方向性はAsking Alexandriaを主体としつつ、メタルコアっぽいテイストはCasino Madridから、ポストハードコア的なテイストはIn Fear And Faithあたりからといったところ。スクリームをフューチャーしたアグレッシブな疾走パートからキャッチーでエモーショナルな歌メロパートへの切り替え、メタルコアにも通ずるようなモッシュパートも搭載していたりと多彩な攻め方をしてくる。そうしたアグレッシブ/ブルータリティとキャッチーさのバランスが絶妙。またプロデュース面でもシンセを前面に立てつつもギターサウンドを殺さずにこちらもシンセ以上に際立たせているのは、このバンドのセンスの良さが生かされている。
クリーンvoに関してはこうしたバンドにありがちなエモ系甘メロウ声質で個人的にはどうとも思わないのだが、スクリームに関しては低音系でブルータリティが感じられるので個人的に好きな声質。ちなみに、専任ヴォーカリストがクリーン&スクリームを兼任していますが、ギタリストも若干高音側のスクリームを使っています。今回、このスクリームの掛け合いみたいな形で二人のスクリームが入り乱れていますね。

デビューEPで高まった期待感を裏切らず、その期待を遥かに上回る傑作盤を作り上げたと思う。ここ最近のピコリーモ?シンセコア系でこのアルバムを超える作品はごく僅か。デビューアルバムとしては破格の完成度と言っていいだろう。ピコリーモ/シンセコア系のファンなら必ず聴いておくべきアルバムだ。
This Romantic Tragedy、Claps For Caroline、Crown The Empire(EP)、Skip The Foreplayあたりが好きならマストなアルバムだが、クオリティに関してはそれらのバンドのアルバムを遥かに凌ぐ。
ピコリーモ系はしばらくOutline In Colorとコイツらで満足できるな。

 

Two-Faced Charade - Famous Last Words

現在ヘビロテ中!

Twitteやってます!