Elite/Within The Ruins

米マサチューセッツのプログレッシブ/テクニカルデスコアバンド、2013年リリース3rdアルバム。

ラインナップの変更があり、前作後にツインギターの片割れが脱退して新たにメンバーを迎え入れたわけですが、結局その新メンバーも脱退してシングルギター編成となった。またベーシストもチェンジしている。

所属レーベルもVictory RecordsからDirge Withinの所属するE1 Musicへ移籍…だと思うんだけど、よくわからないのはGood Fight Musicとの関係。てっきりGood Fightの方はEntertainmentとのマネージメント契約だと思ってたら、Musicとの契約だった。地域によって配給元が違う契約なのかもしれない。

 

前作から約3年。変態ちっくテクニカル・デスコアは今回も健在です!

基本的なスタイルは前作と変わらず、ピロピロとしたシュレッドギターと複雑なリズム系、変態ちっくなブレイクをデスコアサウンドに載せていくというもの。デスコアながらも疾走するメロディがふんだんに取り入れられているし、展開に関しては疾走からサビメロでの疾走やブレイクダウンを絡めるというデスコア/メタルコアスタイルの基本形に則っているので聴きやすいと思う。だがバックの演奏に耳を傾けるとギター&ドラム&ベースのテクニカル度はハンパないことに気づき、一度ノリだけでザッと通して聴いた後に今度は楽器陣の仕事ぶりを聴き込んでしまうという一粒で二度美味しい的バンドがこのWithin The Ruinsというバンド。

本作では基本的な姿勢は前作を受け継ぎながら、一聴したところ前作よりもストレートなアグレッシブさを前面に押し出しているように感じたのだが、よくよく聴いてみるとシュレッディングなギターのテクニカルなフレーズやタイトながらも変拍子連発のドラミングなど、実際には前作を上回る変態ぶりを発揮している。そうしたテクニカルプレイの数々が、本作において進化したと思われる部分である整合感と構成力によって構築されているので、アグレッシブなノリの良さを減じさせずに絶妙にまとめあげられているのだと思う。

シングルギター編成となった影響に関しては、彼らの音楽性からすれば影響は感じられない。確かにツインギター特有のハモリ具合とか無くなってしまったが、ギタリスト一人となったことでプレイ面でのJoe Cocchiの気合の入り方は過去最高となっている。縦横無尽の活躍とは正にこのプレイのことを言うのだろう。

ヴォーカルに関しては不変のグロウルオンリー。エモいところなどどこにもない。

 

前2作はテクニカル面…というか変態面?…が強調されすぎていた感があったので(それはそれで良かったことだったが)、本作において整合性を高めた結果、過去作を凌ぐ"聴きやすさ"という武器を手に入れた。"聴きやすい"イコール"キャッチー"とか思うなかれ。そんな要素は皆無。だからこそ、本作の完成度は驚異。

バンドの過去作が好きなら問題なく受け入れられる。また、メロディックなデスコア、ブルータリティを強調したメタルコア、テクニカル系のメタルコア/デスコアが好きなら買っておくべき好盤と言える。

 

Elite - Within the Ruins

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