Conflicts/Bury Your Horses

アメリカのポストハードコア/メタルコアバンドが2012年にリリースしたデビューEP。
バンド自体は2011年の夏に結成で、ツインギター編成の5人組。
ローカルなインディーズバンドで、レーベル契約はまだ無し。

音楽性はバンドの自称通りポストハードコア/メタルコアで、楽曲によってスクリームvoが多めだったりノーマルvoを多用したりする。だが、EPの中ではスクリームが全く入らない曲があるわけではなく、そういう意味ではメタリック・スクリーモという見方も出来るかもしれない。総じてMemphis May Fire路線かなという感じで、シンセが控えめなAsking Alexandriaタイプの楽曲もあるのでピコリーモっぽいところもある。
スクリームをフューチャーしたアグレッシブなメタルコア路線をベースとしながら、メロディックさが全体を覆っているのが最大のアピールポイントと言えるだろう。ヘヴィでいかにもメタルコア的なリフを基調としたスクリームパートでもしっかりとメロディアスなフレーズが挿入されるし、ノーマルvoで歌われるパートはそれ以上にメロディアスなのはもちろんのこと、若干のメランコリーが帯びているのは魅力的だ。
バンドメンバーにシンセ奏者の名が見当たらないのだが、メランコリックさを際立たせる演出を担っているのがリリカルなシンセサウンドであるのは確か。それは時にIn Fear And Faithのようなシンフォニックさを見せる時もある。大々的にシンセをフューチャーしてるわけではないのだが、実に上手いシンセの使い方だと思う。ヘヴィさとメランコリーが対比されて、どちらの要素もお互いを引き立てているように感じる。
"Unknown"はノーマルvoメインとした典型的なポストハードコア曲だが、スクリームvoをバッキングで絡めたりブレイクダウンを投入したりと型にはまらない展開を持っている。特に後半でのピアノメロディのフューチャーは感動的だ。同じ事は"Remorse"でも言える。"Complimenting Colors"ではそれまでのメランコリーではなく爽やかで軽快なメロディが印象的。また、"Secrets"ではメロディック・メタルコア的な王道路線の楽曲だが、一度エンディングかと思わせるスリリングな演出を創りだしたりしている。ラストの"Cry Baby"はバンドの集大成とも言える楽曲で、ヘヴィなメタルコアとメランコリー、それに軽快さも併せ持っている。

もう、これでメジャーデビューしても何ら問題ないほどのレベルにあるバンドだと思う。
2012年も様々な有望バンドを見てきたが、EP全曲でハイクオリティを見せつけているバンドはそうそういなかった。今年の新人バンドの中では相当に個人的ランクの高いバンドになるだろう。
先々が非常に楽しみなバンドで、今後も注目しておいた方が良いと感じる。

 

Conflicts - EP - Bury Your Horses

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