Nightlife/Skip The Foreplay

カナダのメタルコア/スクリーモ/エレクトロコアバンドの2012年リリース1stアルバム。
Bad Religion、Rancidなどが所属するパンク系レーベルのEpitaph Recordsと契約している。Alesanaも同レーベル所属である。ちなみに、マネージメントはGood Fight Entertainmentだが、レコードレーベル事業もやっているはずのGood Fightとはマネージメントだけの関係(これって、普通のことなのかな?)。
プロデュースは元Blessed By A Broken HeartのドラマーFrank Shooflar

サウンド的にはピコリーモ/エレクトロコア系であるのは間違いないのだが、ベースとなる音楽性はメタルコア色が強めに出ている。ただし、スクリーモ的な要素も取り入れているし、ポストハードコア的なエッセンスも吸収しているのがで一概に"メタルコア"と言い切れない部分も多分にあるのが特徴とも言える。
エレクトロニックな要素は強めで、シンセの使い方やノーマルのヴォーカルにエフェクトをかけまくってるあたりは今年だとMadison Affairが近い。基本的にシンセはトランス系の方向へ走っている場面が多いのだがそれ一辺倒ではなく、シンフォニックな要素を取り込んでいる場面もあちこちで見られる。
トランス/ダンスミュージックの要素はシンセだけに留まらず、前述のようにエフェクトをかけたヴォーカルやリズム系の部分でも融合が見られるのは、初期のAttack Attack!と同じと考えてもいいだろう。ただ、AA!以上にダンス系のノリを持ち込んでいるわりには初期のAA!ほどチャラさを感じないのは面白いと思う。
一聴してシンセサウンドが大々的に盛り込まれているためにトランス/ダンスミュージック系の部分が真っ先に評されてしまうのだが、その系統のノリと同等かそれ以上にメタルコアとしての部分も強力なのはここでハッキリと伝えておきたい。バッキング面はメタルコアのグルーヴ感を前面に押し出している上、強靭なブレイクダウンは見せ方も落とし方も素晴らしいものだし、エレクトロコア系でありながらスクリームvoのフューチャー率が異様に高く、ノーマルvoはコーラスか一部でエフェクトをかけた使用に留まっている。
メンバー的にツインギター構成をとっているのは他のエレクトロコアバンドと同じではあっても、エレクトロコアバンドとは思えないほどギターが繰り出すフレーズは魅力的。メタルコアとしては当然リフ主体の音楽性をとっているのだが、刻むリフはメタリックで攻撃的なもの。そしてリードギターがしっかりとメロディを弾いているのはポイントが高いと思う。また、ギターソロを自然な形でフューチャーしている。

 

DJ
ロールコア?っぽく始まって、そこから先はメタルコアらしさとエレクトロニック感がバランスよく融合していると思う。最近だとCrown The Empireっぽいかな。終始アグレッシブなのが好きかも。

 

Dom Perignon
かなりメタルコア色を前面に押し出した曲。シンセは他の曲に比べればこれでも少ない方だろう。中盤から先が怒涛の展開で、疾走また疾走、一度落としてギターソロ。これはイヤでもアツくなれる!

 

Shots
シンセサウンドを別とすれば、これもメタルコア色は強め。グルーヴ感が気持ちいい。中盤で一度静かに落として疾走して終わるのは好きだ。それと、この曲ってノーマルvoを使ってないんだよね。

 

This City (We're Taking Over)
バンドとしては最初期に作られた曲。チャラい!としかいいようがないのに、ブレイクダウンとかはしっかりと落とすんだよね。スポークンワードを大々的に使ってるのはバカっぽい要素であるけど。

 

Famous Last Words、Casino Madrid、Madison Affair、最近のHeliaなどメタルコア的な部分がしっかりとしていながらエレクトロニックの使用率が高めのサウンドが好きなら間違い無く好きになれる。
当然トランスコア好きにもオススメだが、メタルコア色は強めなので注意は必要だろう。
ここまで大胆にトランス/ダンスミュージック色を強めに出しながらアグレッシブなメタルコアを融合したサウンドはなかなか見ることはできないので、一般のメタルコアファンにも聴いて欲しい良盤だと思う。
2012年でもベストな10枚には入るであろう非常に強力な一枚だ。

 


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