Origin Of The Storm/The Sorrow

オーストリア出身の王道メタルコア・バンドの2009年発売2nd。
ヨーロッパ、特にドイツ周辺では絶大な人気を誇るメタル・バンド。

欧 州産メタルコアと言えばHeaven Shall Burnに代表されるような激烈メタルコアやメロデスに限りなく近い音楽性を想像しがちだが、このバンドは1stのレビューでも伝えた通りの王道・直球メ タルコア。それはこのアルバムでも不変。奇をてらった要素は全く無い。目新しい要素も無い。オリジナリティなんかも一切無い。しかしながら、「だからどう した!」と言わんばかりの迷いの無い直球っぷりがかえって男らしく感じてしまう。
たとえ失敗しようとも、実験的要素を盛り込んで新たな道を開拓するのはそれはそれで素晴らしいことだと思うのだが、自らが信じる同じ道を突き進むのもまた勇気のあることだと思うし、これはこれで素晴らしいと思う。

前作ではStill Remainsの1st風だったものの、今回の作風は普通にKsE。メロデスっぽく聞こえる部分はあるが、楽曲の展開・構成はKsEのようなハードなパートとメロウなパートの落差を強調した感じになっている。
ただし、voは相変わらずAtreyu風なのでKsEほど深みは無い(笑。
楽 曲は総じて前作に比べよりアグレッシブかつスピーディーになっている。前作で見られたブレイクダウン・パートはほとんど姿を消して、ハードなパートはより ハードに、メロウなパートはよりメロウに、そうした激/哀の対比はダイナミックになっている。そこらへんはKsE譲りと言える。

 

2曲目のWhere Is The Sun
おいおい、モロKsEだよ(笑。
これを「KsEの未発表曲だよ」と言われても疑う者はいないだろう。このメインリフなんか、絶対にKsEのどの曲かで使われてるってばよ。
…と、散々貶しておきながら嫌いじゃなかったりする俺。
攻撃的なイントロと落差の激しいメロウなサビがポイント。
あぁ、ハワードさんが歌っていたら…(爆。

 

5曲目のEyes Of Darkness
今作は全体的にスラッシーな作風がより前面に押し出されている。この曲もデスラッシュっぽい部分が感じられる突進リフを持っているのだが、サビで一気にメロウに転調(このバンドはこのパターンばかりなのだが)。
この人、クリーンvoよりグロウルvoの方が絶対に味があるよなぁ。それがしみじみと感じられるのがこうした疾走・突進曲だと思う。
ちなみに、エンディングがピアノで静かに終わる。

 

8曲目のFrom This Day On
メタルコアじゃないな、これ。
こうした王道メタルのイントロが大好き。素直にカッコイイと思う。
正統派メタル風なイントロ、別に目新しくもないが攻撃的なリフ、クリーンvoのサビはエモっぽくもメロウにもならずに自然と溶け込んでいる。
楽曲展開に強引さも無理も無く、キレイで整っていると感じる。
こうした楽曲が俺は好きだ。

パクリに対して手厳しい人は、きっとボロクソのアルバムだろう。何しろ、このアルバムを聴いてKsEを思い浮かべないなら耳鼻科に行った方がいいというくらいKsEの影響(というか、そのまんま)は無視出来ない。
そんなわけでオリジナリティなどヘソのゴマ一粒も期待できないが、それでも楽曲のクオリティ的にはオリジナル(KsE)と遜色はないのだから、これはこれで得難いアルバムだと思う。俺的にはドンと来いな内容だ。
KsEの4th"As Daylight Dies"が好きだった人で、パクリに対して寛大なメタルコア/メロデス/デスラッシュ好きの人は是非買ってみてください。

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