Born Of Fire/A Moment Without

アメリカ産エクストリーム・メタルバンドの2011年発表6曲入り2ndEP。
AmazonやiTunes等でも音源が入手出来ず、バンドの公式サイトを見ても入手方法が分からないためCDも何も持ってはいませんが、偶然にYouTubeで発見して気に入ってしまったので急遽レビューすることに。

広く大きな意味で言えばメタルコアなのだろうがそれっぽいところはごく僅かに残るブレイクダウンぐらいのもので(そもそもそれをブレイクダウンと呼んでいいのかどうかも微妙だが)、逆にオーセンティックなヘヴィメタルやハードロックにメタルコアのエッセンスを注入したサウンドといった感じなのが特徴だ。
Facebookでの"影響を受けたもの"の中にSoilworkやらIron Maiden、果てはThe Dillinger Escape Planなんていう名も見られるが、そのほとんどはこのバンドのサウンドとは無縁と言ってよい(笑。ただ、いろいろなメタル/ロック系の音楽から吸収したものを詰め込んだという意味では、Killswitch Engageっぽいところはかなり見られるし、August Burns Redらしきところも微かに見える。ほんと、微かにだけど。
メタルコアと思って聴くとグルーヴ感が明らかに乏しいしブレイクダウンの落差も大したことないので"あれ?"って感じに肩を透かされるけど、少し変わったヘヴィメタルだと思って聴くとアグレッシブなスクリームvoも搭載しているしクサめなメロディも満載だし疾走感も適度にあって、相当に楽しめる作品だと思う。
珍しくシンセ/キーボードが無いのだが、その分はツインギターが十分にカバーしている。リフワークは基本的に王道なメタルの方法論に沿ったもの。テクニカルなプレイも時折見せる。リードの方はギターソロも搭載しているぐらいなので聴きどころは満載。ただ、バンドの音楽性と離れた位置にあるネオクラシカルなフレーズを入れ込んじゃうのはどうなんだろう? エモーショナルに走ろうとする場面も見られるし、少し微妙。

 

No Tomorrow
オールドヘヴィなノリにピロったギターが被さってくるのは、なんか懐かしい気がする。
スクリームパートはそれなりにメタルコアっぽいのだが、そこでもピロピロとギターが乱入してくるのが微笑ましい。クリーンvoのパートは哀愁が漂ってていいね。中盤から先に静かなストリングスのパートを設けるのはハードロックっぽいかな。使い古されたパターンではあるけど、今になっては目新しくもある。

 

Number One Source
イントロを聴いた時、その古臭いフレーズに「東欧のバンド?」とか思ったら普通にアメリカンなバンドでした…というくらい今時のメタル路線から外れた前時代的メロディを搭載。メタルコアっぽいところも少しはあるけど、そのオールドなメタルっぽさが最大の魅力。クリーンvoパートがエモくならないのもいいね。
エンディング近くでギターソロを披露した後にサビメロで弾きまくっているのが笑える。

 

vo面で改善の余地はあると思うし、ギター面で統一感が無いのも気になる。しかし、メロディ面や楽曲の構成力は素晴らしいと思うし、オールドなHM/HRの味わいをメタルコアに載せたのもステキだと思うな。
フルアルバム制作の際にはぜひiTunesやAmazonでの販売をお願いします!

 

他全曲、彼らの公式YouTubeチャンネルで聴くことができます。

YouTube - A Moment Without

 

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