ドイツ出身のメタルコア・バンドの2008年発売1stフル。
どこぞの女性ヴォーカリストとは何の関係もありません。
ドイツのメタルコアと言えば男らしい肉弾戦型のメタルコアが多いのだが、このバンドも例に漏れずそのタイプ。同郷のその路線ではHeaven Shall Burnの名を挙げずにはいられないのだが、こちらはMaroonにより近い。
バンドとしての活動歴自体は長い(らしい)ので、若さ故の暴走・爆走といった感じではなく、統制のとれた激情型メタルコアをやっている。エモっぽい部分はほとんど無く、クリーンvoの導入もあるにはあるが、ごくごく一部。このvoの感情のブチまけ方はタダモノじゃない。一度ライブで見てみたい。
漢メタルコアなのでkeyの導入も無し。そうしたメロさは排除しつつ、ツインGでの叙情メロをとことん追求。感情爆発のメタルコアなのに、どこまでもメロディアス。メタルコア系ではあるが、そういう意味ではメロディック・デスメタルやデスラッシュにも近い。それもスウェディッシュ系だな。Gメロディは特にメロディック・デスメタルからの影響が強いんじゃないかな。
2曲目のEternal Mayhem
1曲目は20秒くらいの小イントロなので、実質的1曲目の本楽曲。
イントロからしばらくはドイツ産メタルコアの教科書通りの展開なのだが、サビと呼べるであろうパートで一気にメロディアス、それがエモっぽくないのは好感が持てる。全編とにかくパワフル。Gが弾きまくりなのもいいね。
4曲目のNew Blood Will Run
ガッツ系メタルコア楽曲。バンドとしての本線がこの楽曲だろう。
このバンド、リフの組み立てが上手い。爆走するパートもブレイクダウンのパートも、どちらもテクニカルで扇情的なリフをもってきてる。
9曲目のCommitted Mass Suicide
ガッツ系のイントロが多い中、重めのリフからスタート。
楽曲自体はメタルコア本線から外れていないが、煽情力のあるリフがカッコ良く、サビのメロディがメロディアスで印象的。
11曲目のFacing Extinction
スウェディッシュ・メロディック・デスメタル的な楽曲。
元々メロデス的傾向は強いのだが、この曲は本編といいサビのメロディといいメロデスにかなり寄っている。それでもバンドのアイデンティティなのか、適度にテクニカルなリフを絡めたりしてるところがいいんだよね。
このバンド、アルバムの後半にいくほどメロデスっぽくなる(笑。
メタルコアよりも荒々しさがあり、ハードコアと言えなくもないが、メロディ自体は完璧にヨーロピアンだし、リフの組み立て方とかを見てもかなりメロデス(というかデスラッシュ)を意識していると感じる。男らしい部分とメロディアスな部分の対比もいいし、デビュー作としては文句のつけようが無い。
例によって国内盤はありませんが、国内でのダウンロード・サービスでは入手可能です。それも、普通にiTunes Storeでラインナップされてます。自分も輸入盤で購入予定でしたが売り切れのためダウンロード購入しました。
今後、更なる飛躍の期待出来るバンドなので聴いておくように!
2009.06.01初出