Stand Up And Scream/Asking Alexandria

英国産シンセコア/メロディック・メタルコアバンドの2009年リリース、デビューアルバム。
アメリカのAttack Attack!に対してイギリスのAsking Alexandriaと並び称されるシンセ/トランスコアバンドで、共に略称が"AA"となるのも面白い共通点(Attack Attack!の場合は感嘆符付きで"AA!"だが)。
Sumerian Records所属で、日本ではTriple Visionが配給する。

冒頭で述べたようにシンセを多めにフューチャーしたメタルコアだが、トランス的要素は言われているほど強くはなくアクセント的に取り入れたといった感じだ。シンセ自体も確かに全編で使われているがバッキングとしての色合いの方が強く、意外と芯の部分は硬質なメタルコアサウンドを持っているのが特徴。
何かとAttack Attack!と比較されがちなバンドでシンセを多用しているという部分は共通するものの、同時期のAttack Attack!(1st&2ndあたり)がキラキラ系のサウンドでスクリーモタイプだったのに対して、このバンドの場合はブレイクダウンやグルーヴ感といったメタルコア的な方法論をベースとしながらBullet For My Valentine的なラウド&メタリックさを取り入れたアグレッシブで強靭な音楽性となっている。
実際のところシンセサウンドよりもギターサウンドの方が前面に立っている上魅力的で、シンセに関しては本編においてはメロディアスさの強調を担っていたり、曲の間奏やエンディングの処理でトランスっぽさをプラスしてみたりといった追加要素という感が強い。それほどギターが強いバンドでもあるのでメタリックなリフワークなどはBFMVの影がチラつくし、テクニカル系を意識したようなバッキングが聴かれたりもする。
つまるところメタルコア化したBullet For My Valentineなのだが、そこにトランス/ダンスミュージックから持ち込んだシンセサウンドを融合したようなもの。英国的モダンメタルはBFMVの影響からは逃れられそうにないなぁ、とこのアルバムを聴いても思ってしまう。それくらいメタル的感覚の強いアルバムだ。

 

A Candlelit Dinner With Inamorta
ヘヴィなメタルコアが展開されるのかと思いきや、いきなりBFMVになったのでビックリした。
ブレイクダウンの落差を強調した楽曲で、メタリックなメロディを持つスクリームパート、メロウなクリーンvoのサビ、トランス的な間奏からスクリームの激しいモッシュパートなどが渾然一体となった佳曲。

 

I Used To Have A Best Friend (But Then He Gave Me An STD)
英国的なモダンメタル曲にブレイクダウン入れちゃった♪みたいなメロディックな曲。クリーンvoのサビが疾走しててカッコイイです。トランス的な間奏はここでも導入されていて、そこも好きなポイントかな。

 

When Everyday's The Weekend
アルバムラストだけど、一番好きな曲がコレ。面白いリフワークがいいね。ブレイクダウンからサビへと流れていく展開がステキ。中盤辺りから始まるトランス的なシンセがエンディングまで伸びていく。

Attack Attack!を強く想起してこのアルバムを聴くと「何だこれ!?」とか思うので注意。
基本メタルコア色が強いので、英国のバンドながらアメリカンなシンセコアが好きな人にオススメだと思う。ブレイクダウンが気にならないBFMVが好きな人はメロディなんかけっこうイケるんじゃないかな。
とにかくシンセコアにしてはブレイクダウンは強靭な方なので、そこは気をつけて下さいね。

 

Stand Up and Scream - Asking Alexandria

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