Fear Will Cast No Shadow/The Autumn Offering

米国産メタルコアバンドの2007年リリース3rdアルバム。

本作よりヴォーカルがDennis Millerから元Hell WithinのMatt McChesneyにチェンジした。

2012年現在活動休止中。

 

2004年の1stは普通にメタルコアでした。印象に残った曲といえば"Revelation"ぐらいで、突如ストリングスの静かなパートが挿入されたかと思えばブレイクダウンへ雪崩れ込むとか、アグレッシヴに疾走したかと思えば再びストリングスパートにクリーンvoが入ってくるとか、そんな意味不明な展開が面白かった。

2006年の2ndでメロディック・メタルコアなのかモダンメロデスなのか、突如メロディを大増量してきてビビった。ブレイクダウンやモッシュパートは存在するんだけどリフやリズム系もスウェディッシュなメロデスを意識しているように見え、メロディに至っては明らかに北欧的なクサさを持っていた。"Ghost"なんかはネタ元がIn Flamesであるのが明白なほどメロディック・デスメタルなサウンドで大爆笑できた傑作。

 

そうして発表された本作3rdアルバムだが、すでにメロデス化していくのが既定路線とも言える状態だったのでサウンド的にもメタルコアとメロデスを融合したような方向性となっている。ただ、メロデス的アプローチをもっと推し進めるかと予測していたが、案外メタルコア的な要素を色濃く残していたのは意外だったな。

芯の部分にあるリフワークは硬質なものだがメロディアスな部分が相当に目立つため、メロデス的な…というよりメロディック・メタルコア的な方向へ流れたと見ていいかもしれない。クリーンvoの比率もかなり多めでもあるので聴きやすいアルバムだとも言える。そもそもアルバム中にはスクリーモ/ポストハードコア系を狙ったような曲もあるくらいなので、もしかしたらバンドの方向性を模索している途上の作品だったのかな。

 

Crown Yourself King

最初はメロデスだかメタルコアだか不明なアグレッシブさで突進したかと思ったら、いきなりエモいクリーンvoパートが乱入してきて驚く…が、それどころじゃないのはスクリームパート後に突如挿入されるピアノのパートだ。何の脈絡もないそのパートの存在が意味不明で面白いしクールでカッコイイと思う。

中盤から先、ギターソロ後の怒涛の展開とピアノで締める流れが大好き。

 

Silence And Goodbye

問題のポストハードコア曲。リフやリズム系のバッキング部分もメタルコアではないし、ブレイクダウンやモッシュパートがあるわけでもないし、ごく一部で使われるスクリームvo以外はメタルコア的なものは全く存在しない。アルバム中でも浮きまくりの楽曲だけど、たぶんこの曲が一番カッコイイと思う。

 

Great Distance

メロディック・メタルコア? メタリック・スクリーモ?

クリーンvo比率が高くてスクリーモっぽいのにスクリームパートではかなり硬質なメタルコア化する上、スクリームを伴ったブレイクダウンとか異様に力が入ってる。哀愁味のあるサビがヤバすぎる。

 

クリーンvoパートの作り込みが相当に気合が入っていて、よりメロディアスさを強調しているように感じる。ただ、Silence And Goodbyeの無意味なスクリームvoや、Great Distanceのメタルコア要素とか、強力な楽曲になったであろうにわざわざ魅力を減退させているようにしか見えないのは考えもの。その辺りがバンドの方向性が確率していないがために生まれたマイナスポイントだったのかな、と今になって思う。

It Dies TodayとかUnearthあたりが好きなら聴いてみることをオススメ。

 

Fear Will Cast No Shadow - The Autumn Offering

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