The Defining Elements/Essence

ベルギー出身のプログレッシブ・メタルコアバンド、2012年リリース1stフルアルバム。
同国のメタルバンドでパッと思い浮かぶのはAncient Ritesくらい。他に何かいたっけかなぁ。
bandcampとiTunesでしか楽曲を取り扱っていないローカルなインディーズバンドですね。

国籍とかは意識せずに聴いてるせいかbandcampでこのバンドを知って曲を聴いた時から何となくアメリカのバンドだと思ってたのですが、こうしてレビューを書くにあたりFacebookで調べてみると"Belgium"とあってかなり驚いた。全く欧州的な雰囲気は無く、完全にアメリカナイズされたメタルコアサウンド。
本人達がAugust Burns Redを意識したというようにメロディック・メタルコアの一種なのだが、導入しているメロディは欧州的なクサめなものではなく適度に洗練された叙情メロディを楽曲全編で大量にぶちまけているのが特徴。まるでマイナー臭がしない。バンド自体の結成は2005年頃らしいので、長い期間でじっくりと熟成された結果がこうした落ち着きのある洗練されたモダンなサウンドに繋がっているのだろう。
"自称"プログレッシブ・メタルコアという看板にも偽りはなく、テクニカルなフレーズで全体が覆われているものの構成力が優れているためかテクニック面が独り歩きして浮いているといった印象は無く、しっかりと楽曲の中に融合して機能している。この手のバンドはテクニックを誇示するためのソロパートを設けたりするのも常なのだが、このバンドではギターソロすら搭載していないのも面白い。表現力の幅を広げるためのテクニカルさという面から見れば確実に成功していると思うし、バンドの個性という面も確立できていると思う。
ファストな疾走ハードコアをベースとしながら、強烈なブレイクダウンはもちろんのこと、静かに落とすパートを作ってみたりと展開面でもプログレッシブ的。シンセもクリーンvoも使わずに、アグレッシブな音楽性を際立たせているのも個人的に好きなポイント。それでもメロディアスさは少しも失われていない。

 

Revelations
テクニカルなフレーズをバンバン投入しながら疾走感もアグレッシブなノリも壊さずに纏めあげてるのが凄いですね。プログレッシブなのに、それと思わせない構成は見事。途中のストリングスパートもいいね。

Sin Against Sinners
ヘヴィなノリのメタルコア曲かと思ったら、怒涛のごとく疾走を始めてから先はテクニカル度満載に変貌。ブレイクダウンの見せ方も上手いし、叙情的なギタープレイもセンス良く入れ込んでいると思う。

Assumptions
イントロでThis Or The Apocalypseっぽさを見せながら、そこから先はそこまで変態的ではなくノリを減退させない程度にテクニカルさを披露。どの曲もそうだけど、リフワークが見事と言う他ないな。

テクニカル系のメタルコア…This Or The Apocalypseあたりが好きなら必聴の良盤。そうでなくとも、叙情的なメロディック・メタルコアでクリーンvo無し、シンセ無しの硬派タイプが好きならマストだろう。
CDは入手出来ないのでMP3ダウンロード購入となります。
bandcampでは8.5ドル、iTunesでは1350円となってます。

 

The Defining Elements - Essence

現在ヘビロテ中!

Twitteやってます!