We Will All Evolve/Our Last Night

US産メタルコア/スクリーモバンドの2010年リリース2ndアルバム。
2008年にデビューアルバム"The Ghosts Among Us"をEpitaph Recordsからリリース。その時点でメンバーは平均18歳くらいだったはず。スクリームヴォーカリストにいたっては14歳だったような…。

1stは同レーベルのAlesanaっぽいスクリーモ。節回しにクセのあるヴォーカルは好き嫌いの分かれるところだろうが、個人的に思うのはアグレッシブさが足りないってこととメロディを追えないのが難点。アルバム自体もそれほど印象に残っておらず、"Dreamcatcher"は良かったなぁ…というくらいの感覚でしかない。
そして本作はというと、まず音楽性自体が1stでのド直球スクリーモ路線からメタルコア/ポストハードコア要素がかなり強めのスクリーモといった方向へと変化している。1stと比較するとか以前に、まるで別バンドの作品とさえ思える。個人的にはこの路線変更は大歓迎だし、大きな成長・進化だと捉えたい。
あのデビューアルバムのことは無かったことにして忘れた方がいいと思う。
メタルコア方面の色合いが強くなったためスクリームパートは前作と比較にならないほどブルータルかつアグレッシブになっており、一部の楽曲では強靭なブレイクダウンも搭載している。メタリックで攻撃性も見られるギターリフも魅力的。本作では1stのようなド直球スクリーモサウンドはほとんど見られず、どの曲もかなり重く・激しく攻める姿勢が現れている。独特な節回しのスクリームはそのままだがアグレッシブさは格段にアップし、声質も低音を強調したグロウルに変化したヴォーカルはそうした方向性に馴染んでいる。
本作で何より素晴らしいと思えるのは、成長とか進歩とかいうレベルを超越したメロディ面での進化だろう。エモくなりすぎずのメランコリックメロディは、良い意味でキャッチーさとポップさを兼ね備えている。1stでは若さ以外に個人的には何も見るべきものは無かったバンドが、ここまで魅力的なメロディを全編で繰り出してきたことは衝撃的だった。1stのことは覚えてないままにこのアルバムを買ったくらい。
ただエモいだけとかアグレッシブなだけではなく、激しい部分と聴かせる部分のメリハリが効いている上、両者のバランスも良好だと思う。"落とす"という意味では、ブレイクダウンよりアグレッシブパートからメランコリックパートへの落としの方が強烈だと感じるくらいだ。メロディを強調する形で、よりアグレッシブになったサウンドが効果的に機能している。それを活かす楽曲の構成力やアレンジ力も相当に進歩している。

クオリティは相当に高く、この系統のトップレベルにあると言っても過言ではない。
Dream On, Dreamer、This Romantic Tragedy、Asking Alexandriaあたりのサウンドが好きな人にオススメだが、このアルバムはかなりの良盤なので広くメタルコア/スクリーモファンに聴いてほしいと思う。
2012年に新作リリースだが、このアルバムを超えられたら相当なモンスターバンドじゃないか?

 

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