Accidents With Intelligence/The Demonstration

アメリカ出身のプログレッシブ/メロディック・メタルコアバンドの2008年リリース2ndアルバム。
二人のギタリストとベーシストは元々デスコアバンド"Killwhitneydead"のメンバーで、並行してこのバンドを立ち上げたが2011年をもってKillwhitneydeadを脱退。1stは2006年にリリースされている。
このアルバムまでレーベルはMediaskareだったが、2012年現在はドロップしている模様。

元Killwhitneydeadのメンバーによるバンドということでブルータルなデスコアスタイルを想像すると完全に予想を裏切られるし面を食らうだろう。ここで展開されるサウンドは完全にメロディックさが勝ったメタルコアである。1stは未聴でどんなスタイルの音楽性だったのかは分からないのだが、どうやらKillwhitneydeadほどではないものの攻撃性のあるメタルコアだったらしい。そういう観点から見れば本作はガラリと音楽性を変えたに等しいメロディック・メタルコアで、この際元Killwhitneydeadという肩書きは忘れた方がいい。

メタルコアとしてはエッジの立った方向性で、硬質感のあるアグレッシブなサウンドと言える。
Facebookの"おすすめアーティスト"にVanisherの名が見えるのだが、メロディアスなメタルコアという方向性では同じところを見ているように感じる。ただ、Vanisherの方がよりメロディック・メタル的で、このバンドはメタルコアの土俵でメロディックな方向性を追求していると思う。ちなみに、Vanisherのヴォーカリストはかけ離れた音楽性のKillwhitneydeadのセッションメンバーに名を連ねているのは面白い。
話は逸れたが、徹底的にメロディアスであることを追求しているこのバンド。ブレイクダウンやモッシュパート、ハードコア/メタルコア的なリフやリズム系、グルーヴ感やビート感などの要素は楽曲によって使われていたりいなかったり一概にメタルコアと括れるわけでもなく、モダンメタルからメタルコアの間で発想をオープンにして楽曲が作られている。このあたり、さすがキャリアが伊達ではないなと感じるところ。
ギターはツインリード的にメロディ大乱舞状態。弾きまくっているわりにはしっかりと楽曲に融合しているのでクドさを感じることはない。リフ的にもメロディ的にもプログレッシブ/テクニカル系の要素もあるかな、という感じ。ただ、それも楽曲のノリを止めてしまうほどではない。リード面では、叙情的なフレーズもあるしクラシカルなプレイを披露する場面もある。聴き所満載どころか、全編が聴き所と言っていいだろう。
ヴォーカルは低音スクリームvoとハスキーなノーマルvoの併用だがエモくなる場面は一切ない。ノーマルvoを大々的に搭載していても軟弱になることなく硬派にまとめているのはさすがだと思う。

 

A Very Calculating Snake
スクリームパートの突進具合も好きだが、クリーンvoパートの哀愁味のあるメロディが秀逸だな。ブレイクダウンの落とし方とか見せ方も上手いと思う。ストリングスパートからエンディングへの展開は聴き所。

 

Car Rides
メロディック・メタルコアそのものだが、やはりメロディが絶品すぎる。疾走度もアグレッシブさもちょうどいい感じ。全体的にはAll That Remainsタイプなのだろうが、完全にメロディアスさが勝ってる。
ギターの弾きまくりっぷりが気持ちいいね。ギターソロも自然な形で挿入されている。

 

From L.A. To Nashville
他の曲もだが、クリーンvoが絶妙のタイミングで挿入されるのがいいんだよね。あとは適度に弾きまくるギターも気持ちいいね。メタルコアというよりモダンメタルに近いサウンドになってるかな。

 

メロディアスなメタルコアが好きな人は迷わず"買い"の逸品だろう。
2008年リリースながら全く古臭さはないし、現在のメロディック・メタルコアがエモすぎると感じるならこれを聴くことをオススメする。All That RemainsやIt Dies Todayが好きなら尚更聴いておくべき。
バンド自体は存続しているしメインメンバーは2011年に揃ってKillwhitneydeadを脱退しているので、今後はこのバンドを主軸に活動するのだろう。新作前に今からでも遅くないのでチェックしておくように!

 

Accidents With Intelligence - The Demonstration

現在ヘビロテ中!

Twitteやってます!