Savage Seas/Feed Her To The Sharks

オーストラリアのメロディック・メタルコアバンド、2013年リリース2ndアルバム。
2010年の1stアルバム"The Beauty Of Falling"以来、約3年ぶりの新作。
当時もレーベル契約の無いローカルなインディーズバンドでアルバム自体も自主制作盤だったが、その状態は本作でも変わらず自主制作盤としてiTunesやAmazonMP3での販売を主軸としている。
メンバーはドラムがチェンジした以外には基本的に変わらず、ツイン・ギター編成の5人組。サイドギターがシンセのプログラミング、専任のヴォーカリストはピアノ兼キーボーディストでもある。

2010年の1stアルバムが素晴らしく新作を長いこと待っていたのだが、ようやくリリースされてホッとしたのと同時に、ブランクが3年もあるので音楽性が変化していないか心配だった。こうして新作を聴いてみて、それが杞憂に終わったことと、相変わらずクオリティの高いバンドだと再認識することとなった。
音楽性は1stの延長線上にあるメロディック・メタルコア。オーストラリア出身という出自もあって硬質感のあるメタルコアをベースに、北欧メロディック・デスメタルにも通ずるような叙情性の高いメロディを織り交ぜているのが特徴。路線としては同郷の伝説的バンドI Killed The Prom Queenとその元voが結成したバンドであるConfessionを合わせたようなスタイル。オージー・ハードコア的なアグレッションと扇情性が色濃く出ており、ブレイクダウンの落とし方もブルータルで強力。それでいながらしっかりとメロディも主張しており、他のオージーメタルコアバンドがそうであるように、このバンドもスウェーデン系のメロデスの影響を受けたんじゃないかと思うような雰囲気があちらこちらに見える。ただ、I Killed The Prom Queenほどあからさまなメロデス臭ではないので、どちらかと言えばConfessionに近いスタイルかなという感じだ。
サイドギターがシンセのプログラミング、ヴォーカルがキーボーディスト兼任ということでシンセ色の強いバンドなのかと思う人もいるかも知れないが、このバンド、実はギターがかなり活躍しているのがポイント。そこかしこでエモーショナルで流麗なプレイを見せつけているが、特に一部楽曲でのイントロでの弾きまくりっぷりとかシュラプネル系のギターソロを搭載しちゃうとか、かなりギターオリエンテッドだ。
シンセ的にはアクセント的な域を出ておらず、シンセコア/エレクトロコアという状態までは至っていない。楽曲に合わせてサイバー的なものからシンフォニックなものまで色々と使われている。
ヴォーカルはスクリーム主体。高音スクリームと低音グロウル(別々の人が担当)を使い分け、歌メロパートでノーマルvoを導入するというオーソドックスなメタルコア。高音スクリームは若干歌えていないのだが、低音のグロウルはしっかりメロディをトレース出来ている(こっちが専任ヴォーカル兼ノーマルvo?)。

待った甲斐のある非常にクオリティの高い良盤。
1stが好きだったのなら間違いなく買いのアルバムだし、オージーメタルコアファンも当然の買い、またそうでなくてもメロディックなメタルコア好きなら聴いておくべき本年度前半の超重要アルバムだ。
Go With Meとかで日本盤リリースすればいいのに。

 

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