The Dividing Line/Blind Stare

フィンランド出身、メロディック・デスメタルバンドの2012年リリース2ndアルバム。
バンド結成は1999年。そこから数枚のDemoを経て2005年に1st"Symphony Of Delusions"をリリース。本作はその1stに続く約7年ぶりの新作ということになる。特に活動休止や解散していたわけではない。

1st"Symphony Of Delusions"は隠れた名盤と言っていい快作だった。爆走曲は皆無だが、程良い疾走感の中にクサメロを大々的にぶち込んでエピック風に仕上げた感じのドラマチックなメロデス。シンフォニックなシンセとノーマルvoの導入が特徴的。当時、メタル系の輸入盤市場でもかなり話題になった記憶がある。
問題はその後で、公式のwebサイトで公開されていた新曲がゴミ同然だった。あれで、このバンドは1stで終わったと個人的には忘れていた。Bon Joviの"Runnaway"カバーには笑わせてもらったが。

で、2009年頃のDemoを挟んでの新作。
メンバーはBassとKeyが変わったのみで主要メンバーは1stと同じ。
メロディック・デスメタルのスタイルは前作から多少の変化があり、前作ではエピック・メタル風な大仰キラデス路線だったが、本作ではモダンメロデス一歩手前な感じの若干ストレートな方向性となった。そうは言ってもモダンメロデスほどモダンではないし、大仰な雰囲気が消滅したわけでもない。メロディック・デスメタルの基本を守りつつモダンなリズム系フレーズを取り入れて、大袈裟になりすぎない程度にシンセを盛り込んだ作風である。同郷のTracedawnをもう少しメロデス寄りにしたサウンドと言えるかもしれない。
前作同様にファストな曲は皆無で、ミドルからミドルハイのテンポをもった楽曲をドラマチックに展開させていく手法をとっており、そこに美メロを大々的に盛り込んだメロディック・デスメタルといった作風。
"Cold New World"が1曲目ということで、過去のBlind Stareとの変わり様にビックリ。シンセの使い方に過去の面影はあるが、ずいぶんとストレートに攻めた楽曲だな、という印象。#5"Death And Rebirth"あたりはモダンメロデスの手法をそのまま持ち込んだ作風だしね。ノーマルvoの入り方なんかTracedawnみたい。3曲目の"Bring Down The Tears"や#7"The List"はBlind Stareらしいドラマチックな楽曲。
良曲が目白押しのアルバムの中でも、#11"Legion Of Lost Minds"は別格。これがラストというのもなんだかなぁ、という感じ。確かにBlind Stareっぽさはシンセ以外にはほとんどないが、ドラマチックな疾走メロディック・メタルにデス声とノーマルvoを共存させたサウンドに鳥肌立ちまくりだった。最後の最後にアルバムのハイライトを持ってきちゃったわけで、それまでの楽曲がここまでの引き立て役にしか見えない。

メロディック・デスメタル好きは迷わず買うべきアルバム。本年度でも屈指の好盤だ。

 

The Diving Line - Blind Stare

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